日本ではマニュアル専用モデルRSが登場したホンダ シビック。しかし海の向こうアメリカには、このRSそっくりのクルマが以前から存在する。かつては日本にも存在した栄光のグレード「Si」がそれだ!

文:ベストカーWeb編集部/写真:北米ホンダ

■北米ではシビックといえばタイプRじゃなくてSi!

北米シビック Si 2025年モデル

 シビックのマイチェンに伴って登場したMT専用モデル「RS」。足回りのチューニングやフライホイールの軽量化まで行う力作だが、実はアメリカにはRSそっくりのモデルが存在する。それが「Si」だ。

 Siとはもともと、1984年に登場した3代目ワンダーシビックに追加されたZC型DOHCエンジン(燃料制御はPGM-FI)を積むスポーツモデルだ。実はこいつに2年遅れて、アメリカでもSiが発表されるのだが、北米仕様はカナダのオンタリオ工場生産で、エンジンが通常のSOHCとなる点が日本仕様とは異なる。

 ともかく北米では、以来Siがシビックのスポーツグレードの代名詞的存在となってきた。今でこそ北米シビックにはタイプRがあるが、それは2017年のFK8型からのこと。Siの歴史にははるか及ばないのだ。

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■日本のRSにはないヘリカルLSDを搭載

RSに対してSiはラグジュアリー的位置づけ。ムーンルーフも標準になる

 早速北米のシビックSiの最新モデルをチェックしてみよう。冒頭で「北米Siは日本のRSそっくり」と書いたが、北米シビックにはノッチバックセダンがあり、Siもこのボディを使う。剛性面での優位性を考慮したのだろう。

 それ以外、エンジンや足回りのメニューはRSとほぼ共通。エンジンはL15C型1.5L・VTECターボでシングルマスの軽量フライホイールを搭載、出力は200ps。トランスミッションは専用の6MTで、レブマッチ機能も備える。ドライブモードに「スポーツ」「インディビジュアル」がある点も共通だ。

 あえて相違点を調べてみると、まずSiにはフロントにヘリカルLSDが装着されている点が大きい。またスポーツドライビングに役立つLEDのシフトインジケーターライトも搭載されているようだ。また日本のRSにはムーンルーフの設定はないがSiには標準装備となり、12スピーカーのBOSEプレミアムサウンドシステムも搭載される。

 世界的にセダン人気は低調だが、このシビックSiを見ると、スポーツセダンのすがすがしさを感じる。機会があれば、日本でも乗ってみたい1台といえよう。

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