GRカローラが進化を遂げた! GRヤリスの改良版でも話題を集めた8速ATの搭載を始め、きめ細かいリファインが目白押し! これぞ最強のホットハッチ! マジでほしくなるぜ!

文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ自動車

■スーパー耐久などの経験をフィードバック!

進化したトヨタ GRカローラ

 今回の進化の目玉は、スーパー耐久を始めとするモータースポーツ参戦から得た学びを車両に反映したことだという。

 具体的には、高速コーナーでの旋回性能や加速性能、冷却性能などの改良のほか、進化型GR ヤリスが採用した新開発8 速AT(GR-DAT)を追加した。マスタードライバーであるモリゾウからのフィードバックも加えて、限界領域のほか普段使いでも感じられる「野性味」が加わったそうだ。

 GRヤリスの改良でもそうだったが、今回のGRカローラの進化にあたっても、実戦から分かったネガ要素や改善提案が実にきめ細かく手直しされている。

 まず足回りでは、旋回性能を高めるため前後ダンパーにリバウンド側で作動するスプリングを内蔵、コーナリング中の車両姿勢と内輪の接地荷重がアップしているという。

 さらにリアサスペンションのトレーリングアームの取り付け点を上げて、加速時の沈み込みを低減、アクセル操作に機敏に反応する応答性と安定したコーナリングを実現した。さらにはスプリングとスタビライザーの特性を最適化して、旋回時のリアタイヤの接地性も高まっている。

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■パワーはそのままでもトルクが30Nmアップ!

GRヤリスに積まれ世界を驚愕させた8速AT「GR-DAT」を搭載

 続いてエンジンだ。最高出力は変わらない224kW(304ps)だが、中速域でのトルクを太らせ、最大トルクも400Nmを実現した。コーナーの立ち上がりなどで違いが出るだろう。

 このエンジンに新たに組み合わされるのが、GRヤリスで話題を呼んだ8速AT「GR-DAT」だ。車両状態だけでなく、ブレーキの踏み込み量やアクセル操作など、ドライバーの操作までモニタリングして運転を先読みし、プロドライバー並みのシフトワークをやってのける。

 ATには「より車両操作に集中できる」というメリットもあるから、一般ドライバーがMTでこのGR-DATに勝つことは相当難しいと思われる。

 限界領域での性能向上を狙ってABSも進化した。上下GセンサーによりABS作動輪の接地荷重をモニタリングし、より高精度な制動力確保を実現している。

 ハンドリング面では、各部の補強が効いている。まずステアリングコラムはインパネ補強部との締結部に締結剛性の高い溝付ワッシャーボルトを採用し、直進安定性や操舵のダイレクト感を向上させた。

 シャシー各部にも特別なボルトが使われている。たとえばロアアームとロアボールジョイントの締結部、リアショックダンパーとボディの締結部などがそれにあたる。これによってステアリングの応答性や操舵に対するリアタイヤのグリップ感が向上しているという。

■フロントバンパーの冷却&空力対策が激進化!

フロントバンパーは冷却の集積地。ちなみに図中Aがサブラジエター、Bがブレーキダクト、Cがラジエターグリル、Dがインタークーラー、Eが空冷ATFクーラー(ATのみ)

 冷却や空力面での改善も著しい。

 まずGR-DAT搭載車には、エンジン始動時の暖機運転も兼ねる水冷式のATFウォーマー&クーラーに加えて、なんと空冷式ATFクーラーまで標準搭載した。この空冷式クーラーが収まるフロントロアグリルには開口部を設置し、ここから取り入れた空気はバンパー側面のダクトから排出される仕組みだ。

 フロントバンパーの形状自体も見直されている。コーナー部分に安定的に小さな渦を発生さえる段差を設定し、バンパーコーナーからの空気の剥離を抑制、またフロントグリル脇にブレーキ冷却のためのダクトも口を開けており、フロントブレーキローターに直接風を導くことができる。

 ざっと上げただけでも、進化版カローラの変更点はご覧の通り。走りの進化に日々情熱を燃やすGRのエナジーを感じる中身といえよう。

 新型GRカローラだが、具体的な発売や価格については今後明らかとなる。多くのスポーツカー好きはもちろん、旧型GRカローラオーナーにとっても、心が騒ぐニュースといえそうだ。

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