2024年7月24日、トヨタとKINTOが展開する「KINTO FACTORY」から画期的なサービスが発売された。クラウンクロスオーバーを対象に「トヨタセーフティセンス拡張パッケージ」の販売を開始するという。このサービスのどこが画期的かというと、KINTO(サブスク)を利用していないユーザーも利用可能だという点。これ、クルマの進化の仕方やグレード選びが変わる可能性がある、大変なサービスです。以下、ざっと説明いたします。
文/ベストカーWeb、写真/TOYOTA、KINTO
■グレード選び、安全装備選びに革命が
新型車を選ぶ際、車種選びと並んでグレード選びや安全装備選びは最大のポイントのひとつ。命を載せる乗り物だから妥協はしたくないけれど、財布の事情だってあるわけで、誰もが「一番いいやつ持ってきて!」とは言えないはず。
現実問題として多くのユーザーが「ここらへんかな……」と妥協点を見極める作業、それがグレード選びの醍醐味だったりもする。特に最近の安全装備はお高いですしね……気づいたら見積もり額が当初の予定額の1.5倍に……なんていうのも珍しい話ではありません。
そんななか、「新車を買ったあとでも安全装備をアップグレードできる」というサービスが登場した。それが「KINTO FACTORY」の「トヨタセーフティセンス拡張パッケージ」。
「トヨタセーフティセンス」とは、先行車や歩行者との衝突回避支援または被害軽減を図る「プリクラッシュセーフティ(PCS)」、車線逸脱による事故の予防に貢献する「レーンディパーチャーアラート(LDA)」、夜間の前方視界確保を支援する「オートマチックハイビーム(AHB)」を中心とする、複数の予防安全機能のパッケージ。トヨタの最新鋭安全技術の集大成といえる装備だ。
この「トヨタセーフティセンス」の予防安全機能は、高度なセンシング技術とソフトウェアの組み合わせによって実現しており、基盤となるセンシング装置さえ搭載していれば、予防安全機能を進化・応用させた機能や支援システムにアップグレードすることが可能となる。
このアップグレードパッケージが「トヨタセーフティセンス拡張パッケージ」となる。具体的には上記に加えて、トヨタチームメイト アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)、緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)、フロントクロストラフィックアラート[FCTA]、レーンチェンジアシスト[LCA]を後付けで追加設定できる。
この安全装備のアップグレード対象車種は、2024年4月の一部改良を受けた新型クラウンクロスオーバー「G」グレード。
この車種選び、対象グレードが絶妙で、というのもクラウンクロスオーバーはグレード間の価格差が大きいことで話題になった車種。
・クラウンクロスオーバー X 440万円
・クラウンクロスオーバー G 515万円
・クラウンクロスオーバー Z 595万円
・クラウンクロスオーバー RS 670万円
新車でクラウンクロスオーバーを購入したユーザーのうち、「G」にするか「Z」にするか、価格差80万円で悩んだ方は多いはず。Zグレード(およびRSグレード)には話題の先進安全装備「トヨタセーフティセンス」が標準装着されるので、これは欲しいけど、しかし…80万円高は……出せ……ない…、と無念の涙を飲んだユーザーも多そう。
そんなユーザーに向けて、「トヨタセーフティセンス拡張パッケージ」は、自車を持ち込んで先進安全装備付きにアップグレードできるサービスとなる。価格は以下のとおり。
(1)トヨタセーフティセンス拡張パッケージ 18万400円
(2)本革シートパッケージ(ステアリングヒーター・フロントシートヒーター付) 62万9200円
(3)(1+2)トヨタセーフティセンス拡張+本革シート(ステアリングヒーター・ フロントシートヒーター付)パッケージ 78万7600円
一部繰り返しになるが、このサービスが画期的なのは、サブスクサービスである「KINTO」対象車でなくてもアップグレードが受けられること。今回は最新型のクラウンクロスオーバーの、それも「G」グレードが対象となるが、このサービスの評判がよければ、対象車種はどんどん増えてゆくはず。
これ、車種選び、グレード選びに大きな大きな一石を投じるサービスです。本企画担当は、このサービスの全容を知った時、「あ、KINTOはこれをやりたかったのか!!」と膝を叩きすぎてちょっと腫れました。いたい。
まだまだ実用性を上げるには課題が多い「Over The Air(OTA)」技術の思想が、一番手前で実現しているところもすごい。
ぜひとも多くのユーザーに使ってもらって、「クルマの買い方」そのものをアップグレードしてほしい。
なおクラウンクロスオーバーのアップグレードオプションは、上記のほかに、「2024年4月の一部改良【以前の】仕様のクラウンクロスオーバー」向けとして「内装加飾パッケージ」も用意されている。こちらは5万9400円で(一部改良前の)クラウンクロスオーバーの全グレードが対象になる。
これまで愛車の内装の質感を向上させたいと思ったら、自分で後付けパーツを探して選んでカーショップで施工していたわけだが、これからは信頼できるディーラーでしっかり施工してもらえるわけで、まさに「愛車のアップグレード方法」がアップグレードされた、といえる。
KINTO FACTORYの魅力はオンラインで注文可能なので、24時間365日申し込むことができるところ。面倒な商談ややり取りは必要ない。それでいてアップグレード作業は信頼のトヨタディーラーで受けられる。
マイチェンや一部改良で進化した「便利さ」や「豪華さ」を、既存のユーザーにも享受できるサービスとなっており、いやー、ここらへん、考えるところが(「一人もとりこぼさない」というあたり)トヨタっぽいな……と思います。はい。
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