関越道の新潟エリアを走る人は注意。11月1日に小出インターチェンジが「消える」のだ。どうやら歴史的にも珍しいことらしい。いったい何が起きるのだろう?

文:ベストカーWeb編集部/写真:Google(トビラ写真=Google Streetview)Adobestock、Photo AC、ベストカーWeb編集部

■小出ICが魚沼ICに生まれ変わる!

魚沼市といえばおいしい米どころとして全国的に有名だ(tqmnk924@Adobestock)

 消えるといっても、インターチェンジが閉鎖されてしまうわけじゃないから安心してほしい。実は名称変更が行われるのだ。新しいインターチェンジの名前は「魚沼IC」。そう、コシヒカリで有名なあの魚沼だ。

 なんでこんなことになったのか。もともとこのインターチェンジは新潟県北魚沼郡小出町に存在したため、「小出IC」と名付けられた。

 ところが2004年、平成の大合併によってこの地域の市町村の統合が行われる。小出町は、周辺の堀之内町、湯之谷村、広神村、守門村、入広瀬村と合併し、新たに魚沼市が生まれた。魚沼とはもともと新潟県南東部の地域名だが、その北部自治体が集まって、新たに魚沼市を名乗ったという形だ。

 それにしても小出町が魚沼市に統合されたとなると、当然「ICも魚沼のほうがいいのでは?」という機運が起きる。そこで2022年インターチェンジの名称変更運動がスタートし、市制施行20年となる2024年の1月に、晴れて名称変更が決定したという流れだ。

■インターチェンジの名称変更は過去に4例しかない

国道352号線沿いの標識。名称変更にはこうした看板の架け替えも必要になる

 魚沼市によれば、インターチェンジの名称変更にかかる費用は約3億円だが、名称変更による経済波及効果は約16億円にもなるという。確かに冒頭でも触れたとおり、「魚沼」という地名は米どころとして有名だから、それをさらにアピールするうえでもインターチェンジの名称は有効だろう。

 と、こんな話を聴くと、「インターチェンジの名称変更ってあちこちで行われているのか」と思いがちだが、実は少ない。首都高を除くと以下の4例だけのようだ。

1997年:東名自動車道「横浜IC」が「横浜町田IC」に
2007年:阪和自動車道「吉備IC」が「有田IC」に
2007年:阪和自動車道「吉備南IC」が「有田南IC」に
2012年:長野自動車道「豊科IC」が「安曇野IC」に
※SA/PAの名称変更は含まない。

 つまり魚沼ICは史上5例目、実に12年ぶりの名称変更となるわけだ。

 歴史的にも貴重な一瞬だけに、道路好きは11月1日に関越道ドライブにでかけてもいいかもしれない。

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