2024年6月に登場した新型ホンダ フリード。3代目となる新型は、シンプルなAIRとアウトドアテイストを取り入れたクロスターの2タイプを用意した。先代との違いを、先代オーナーである松田秀士氏の比較を交えてご紹介する。

※本稿は2024年7月のものです
文:松田秀士/写真:茂呂幸正、ホンダ
初出:『ベストカー』2024年8月10日号

■松田氏愛用の先代と比較

左が新型で右が旧型となった先代型。ホイールベースは2740mmで共通だが、全長は45mm長い4310mm。実測するとフロントオーバーハングが90mm伸びている。これはe:HEV搭載による補器類によるものだ

 3代目に進化したフリードだが、旧型オーナーの私としては使い勝手が気になるところ。

 特に注目したのが3列目シートの使い勝手と座り心地。フリードの3列目シートは両側に跳ね上げることで荷物スペースが拡大する。新型はこのスペースが広くなっているのだが、それはシート収納位置とシート台座のコンパクト化が理由。

実際に座った印象は、1列目と2列目は新型のほうが座面が広く、お尻がスッと包み込まれる着座感。3列目は旧型のほうが座面が広く、またクッションも厚く座り心地がよかった

 3列目に座ってみる。すると新型は座面が低くなっていてちょっと体育座りになる。しかもシートそのものが若干薄い。3列目に関しては明らかに私の旧型がいい。3列目ってそうそう使わないけれど、孫からお祖母ちゃんまで同居家族はチャイルドシートなんか付けると意外に3列目が大事。

 いっぽう、その分と言ってはなんだけど前席と2列目シートは座面が大きくサポート形状になっていて、座り心地もかなり進化した。

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■メーター視認性は新型でよくなっているが……

新型フリードの速度計。先代フリードのインパネは松田氏の場合、デジタルの速度計が見づらいことがあった

 ドライバーズシートに座ると、旧型では私の場合ステアリングによってデジタルの速度計が見られなくなってしまっていたが、新型ではコンパクトな速度計がステアリング越しにしっかり確認できる。またAピラーがこれまでの2本から1本になったことで、斜め前方の視界がスッキリした。

新型ホンダ フリードのインパネ。速度計はコンパクトだが見やすい位置に配置されている

 ちょっと気になったのは両端のエアコン送風口。旧型では風量調整用のコントローラーがあったのだが新型では廃止された。

 他にもスライドドアのドアハンドルにあった開閉用のボタン、運転席前ダッシュボードの蓋付き物入れ、ルームミラーの上に設置された3列目まで見渡せる曲面ミラー、運転席後ろの2列目用ドリンクホルダー付きトレイが廃止された。つまり新型は実用頻度の低いものの断捨離を行っているのだ。

 だが後席用エアコン送風口が天井に設置されたのは大きな進化。夏場の2列目より後ろは本当に暑かったからね。ただし後席エアコンと同時にリアエンタテイメントシステム(モニター)は付けられない。

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■新型ホンダ フリードのここが新しい

積載性も抜群。思わずどこまでも旅へ出かけたくなる

・CROSSTARはフェンダーモールで全幅1720mmの3ナンバーサイズ
・ハイブリッドは2モーター式e:HEVを採用する
・フリード+は廃止され、2列シート仕様はCROSSTARに設定

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