トヨタが無料のナビアプリをリリースしていることをご存知だろうか。2021年春に登場した「moviLink(モビリンク)」がそれ。トヨタ車以外でも使えるのだが、トヨタ純正ナビの音声が案内してくれたりして面白い。これ、意外と大物アプリじゃなかろうか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ自動車
■純正ナビの品質にスマホアプリの使い勝手がプラス
カーナビアプリといえば「グーグルマップ」や「Yahoo!カーナビ」が人気だが、近頃は独自の魅力を備えた新作も元気がいい。その一つがトヨタのモビリンク。「トヨタがナビアプリを出してたの?」と思う人もいるかもしれないが、2021年春の登場だからすでにリリース3年目だ。
その特長だが、トヨタが鍛えた純正ナビの品質をベースに、スマホアプリならではの使い勝手を加えた点がミソ。
たとえば純正ナビの利点としては、TプローブとVICSの情報を共用して渋滞や交通規制をリアルタイムで反映できること、純正ナビに近い地図画面やインターフェースを採用している点はありがたい。
さらには案内にも純正でおなじみの音声が使われているし、歩行者しか通れないようなトリッキーなルート案内も行わないから安心できる。
いっぽうスマホアプリとしての使い勝手だが、グーグルの検索結果を簡単に目的地設定できたり、クルマの駐車位置を保存させて、広い駐車場での迷子を防いでくれたりできる。
予定を登録するスケジューラ機能や、初めて出かける場所へのドライブに便利なデモ走行機能も備えている。アップデートも頻繁で、絶えず機能追加や不具合修正などが行われる点もスマホアプリならではといえよう。
■モビリンクを使って取得データを増やす!
モビリンクは無料なうえ、スマホアプリだからトヨタ車以外でも利用できる。もちろんアップル カープレイやアンドロイドオートとも連携していて、ディスプレイオーディオに表示されることもできる。
考えようによっては純正ナビのライバルにもなるこんな高機能なアプリを、なんでトヨタはリリースしているのか。これはひとえに、トヨタのカーナビゲーションシステム全体の精度向上のためだろう。
カーナビゲーションはより多くの利用者が使い、そのデータをフィードバックしてもらうことで精度を高めることができる。トヨタはトヨタ車ユーザーに加えて、モビリンク利用者などさまざまな情報なども取り込むことで、それを実現しているのだ。
さらにこれらの情報は、将来の自動運転にも重要な役割を果たす。モビリンクはそういった面でも、クルマとアプリケーションを結ぶ重要な実験なのかもしれない。
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