2024年7月26日に本Webサイトで公開した「高速道路の追い越し車線に居座り続ける迷惑車 なぜ追いつかれても先を譲らない不思議」は大反響でした。高速道路の追い越し車線を走り続けるクルマに、みなさん、よほど頭に来たのでしょう。ここでは、コメント欄に寄せられたみなさんの意見には、なるほど納得という正論が多かったので、それを掲載するとともに、あおり運転とは逆の「あおられ運転」についても紹介していきたい。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真:satoshi.o)

■みなさんが普段からよほど頭に来ているのがよくわかった!

新東名120km区間。追い越し車線に居座り続ける軽自動車(takadahirohito@Adobe Stock)

 7月26日に公開した「高速道路の追い越し車線に居座り続ける迷惑車 なぜ追いつかれても先を譲らない不思議」はかなりバズりました。

 読者のみなさんから実に多くのコメントが寄せられていました。やっぱりみなさん、普段から頭に来ているようで辛辣な意見というか、真面目に改善してほしいという正論も多かったのでここに掲載したいと思います。

 コメント1:「追い越し車線に入るとしても追い越し車線を走っている速度も気にして入ってほしい。100km/hで追い越し車線を走っているのに80km/hとか遅い速度で来られると追い越し車線を走っている方はブレーキ踏んで減速しその後続車も影響を受けます。 追い越し車線に入る時は追い越し車線側の速度も気にして車線変更してほしいです」。

 コメント2:「新東名の120km/h制限区間を頻繁に走りますが、こちらが追い越す寸前で追越車線に車線変更してくる(方向指示器も直前)大型トラックによく遭遇しますね。 こちらも前方の走行車線を大型トラックが車間狭めで走っているのを視認すると『来そうだな~』と警戒はしていますが、速度差が結構あるので急ブレーキを踏まされ辟易とします。前を塞がれた後、時々ハザードで軽く謝意を表してくれるトラックドライバーさんがいらっしゃいますが、そういう意思が垣間見れるとこちらも『どうぞどうぞ?』とおおらかな気持ちになりますね」。

大型トラックが追い越し車線を走り続け後続車が連なっているケースも多い(Adobe Stock@takadahirohito)

 コメント3:「高速道路の追い越し車線をずっと100km/hで走っているドライバーのなかには『自分は法定速度一杯で走っているから譲る必要はない、追い越そうとするクルマの方が悪い』と思い込んでいる人もかなりいると思います。『自分より速いクルマが接近してきたら進路を譲らなければならない規則』があることも、自動車学校や免許更新の時にきちんと教えて欲しいです」。

 コメント4:「警察の取締りにも問題があると思います。そもそも追い越しも制限速度内で追い越さなければならないのに、普通に速度出し過ぎなクルマもいます。かといって今の人達は車間距離を取らない人が多いのでなかなか走行車線には戻れない。首都高とかも普通に一番右側がそんなに空いてる感じもしないし。警察の取締りが曖昧過ぎるのが問題では……」。

 最高速度100km/hの高速道路を追い越し車線を走っていて、後ろからクルマが来ても「これ以上スピード出したら違反になるから私が正しいから譲る必要もない」と思っている人、ほんとに多いと思います。やっと追い越し車線から左の走行車線に移っても、「え、何? 私悪いことした?」と不思議そうな顔をしている方を何回か見たことあります。 

 コメント4の追い越し車線を走り続ける違反=通行帯違反にも問題があると思いますね。「通行帯違反」の取締りには、実はどれくらい追い越し車線を走り続けると違反になるのか、明確な距離や走行時間に関する基準はありません。

 2㎞以上追い越し車線を走り続けた場合に取り締まる場合や、1㎞以内でも取り締まる事例もあり、そもそも取締りを行うかどうかは、警察官の判断に委ねられているため、明確な基準はないのが問題かもしれませんね。

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■遠くの位置からのパッシングはあり?

パッシングが原因で暴行事件となり書類送検された事例もあるので要注意(PHOTO:写真AC@Yuzurugima)

 コメント5:「追い越すクルマがいないのにずっと追い越し車線走って道を塞ぐクルマにはあおらない程度の距離から軽くパッシングして、追い越し終わったら走行車線に戻り、追い越す時だけ追い越し車線を走るようにしています。そもそも違反しているのはパッシングされる側なので、あおりはダメだけど『用がないなら違反なんだから退けよ』というアクションを起こすことは何も悪いことではないと思います。 そして、こういうドライバーは大抵漫然運転しているので上り坂で速度が落ちて渋滞も引き起こしています。もっと警察の取締りを増やして、違反行為なのだと認識させないとダメだと思います」。

 コメント6:「高速道路に限らず一般道でも制限速度50km/hの道路を40km/hに満たない速度で延々に走る人も増えています。そのクルマの前にクルマはおらず、後ろは大渋滞しています。ゆっくり速度を落として走るのが安全運転と勘違いしている人が多いです。そういう人ってだいたい車線変更すらしないし、やっと車線変更したと思ったら合図も出さない。要するに周りが見えていないし、当然真後ろも見ていないひたすら前だけ見ているだけなんでしょう」。

 パッシングや右ウインカーなどで、後ろを走っている速いクルマが「気付いてくれ、どいてね」と促す行為も、あおり運転が適用される場合もあるので、いまは厳しいかもしれません。車間を追突しそうなくらい詰めてパッシングを繰り返すのは完全にあおり運転となります。ほんとに前ばかりではなく、後ろ、左右を頻繁に見てほしいですよね。

 最新のクルマはよそ見をしているとメーター内に音と表示で警告する機能がありますが、後ろを見ていない場合に警告する機能も付けたらいいのでは。

 コメント7:「私は職業ドライバーなんですが、一定の速度で走行し様子を見てから追い越し車線に出るのですが、追い越すクルマと並んだ途端加速し始める自家用車がとても多いです。さらに諦めてそのクルマの後ろに入ると速度を落とし、また追い越し車線に出て並んだ頃に加速され、後ろに何台もクルマがたまるといったことがよくあります」。

大型トラックが追い越し車線を入り続けているケース。深夜の新東名などでよく見られる光景

 これはまさに追い越し車線あるあるですね。こちらが走行車線から追い越し車線に行こうとすると、途端に速度を上げて阻止する人。こういう人は、その人のクルマに前に入ったら、車間を詰めてきたり、幅寄せしてくる場合が多いので気を付けましょう。

 コメント8:「まず、意味もなく追い越し車線を走り続けることは、『交通違反であり、同時に後ろの人を怒らせている』、このことを教習所が徹底的に教えることだと思います。 教習所によっては「とにかく自分の安全に注意して!!」という感じで、己の世界に没頭するような指導をしている例が多い。そしてそれは「路上教習で、後ろに長い追従車両がつながっていても、道を譲ろうとしない教習車」に良く表われています。路上教習で、後ろのクルマを気にする教育をすべきではないでしょうか」。

 みなさん、いかがでしたでしょうか? ほんとに頭に来ているというか、改善してほしいと切実に願っている人が多くいることがわかりました。もちろんあおり運転は違反行為で許されるものではありませんが、あおられる側にも原因があるのでは……と思いました。

 みなさんの意見を聞いて、教習所での指導の徹底はもちろん、免許更新時の交通教則本への掲載、通行帯違反の取り締まり強化と、さらに取り締まりの基準=何m追い越し車線を走ったら通行帯違反になるのかを明確化してほしいと思いました。

 あと、過度なものは除いて、パッシングがあおり運転につながらないように、追い越し時のパッシング方法も明文化してほしいですね。

■あおられ運転とは?

ボーッとした漫然運転で後ろを見ずに追い越し車線を走り続けているケースもある(Adobe Stock@伸樹 櫻田)

 ここで改めてあおり運転に適用される「妨害運転罪」についておさらいしておこう。

1:車間距離を極端に詰める(車間距離不保持)
2:急に進路変更を行う(進路変更禁止違反)
3:急ブレーキをかける(急ブレーキ禁止違反)
4:危険な追い越し(追越し方法違反)
5:対向車線にはみ出す(通行区分違反)
6:執拗なクラクション(警音器使用制限違反)
7:執拗なパッシング(減光等義務違反)
8:幅寄せや蛇行運転(安全運転義務違反)
9:高速道路での低速走行(最低速度違反)
10:高速道路での駐停車(高速自動車国道等駐停車違反)

 後方のクルマが前方のクルマに対して危険行為をするあおり運転は妨害運転罪の対象になるのはみなさんもご存じの通り。このあおり運転以外に妨害運転剤罪に当てはまるのが「あおられ運転」で、「逆あおり運転」とも言われます。

 このうち、あおられ運転は、後続車に対して前方のクルマが急ブレーキを踏んだり、低速運転をして後続車の進路を妨げる行為がそれにあたり、妨害運転剤が適用されます。

 低速運転といえば、2020年頃に神奈川県内で話題となった通称「10km/hおじさん」が記憶に新しいですね。一般道で10km/h以内のノロノロ運転で後ろのクルマに追い越しをさせないというとんでもない行為を繰り返して話題となりました。これは道路交通法第75条の4に規定する「最低速度違反」が適用されます。

 もし、あおり運転、あおられ運転に遭遇したら、110番通報し、すぐにサービスエリアやパーキングエリアに移動しましょう。相手がクルマから降りてきたら窓を開けず、挑発に乗らないように冷静な対応をとりましょう。

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