ヨーロッパはやはりバス先進国が多い。なかでも北欧は特に進んでいる。今回はデンマークとスウェーデンのバス事情を垣間見てみた。日頃日本のバスに馴染んでいると、目から鱗のバス体験ができる。
(記事の内容は、2024年1月現在のものです)
執筆・写真/谷川一巳
※2024年1月発売《バスマガジンvol.123》『バスにまつわる愉快だけどマジな話』より
■IT化が進んでおりタッチ式のクレカが必須!!
日本は世界が絶賛する安全な国だが、それは島国、単一民族で構成されているという特色があるからだ。
それに対してヨーロッパには治安のよくない国が多く、日本人観光客がスリに遭うことなどは日常茶飯事である。そして、悪さをしているのは移民が多いという。移民を悪者にするわけではないが、やはり仕事に就けないことが多く、悪の道へ迷い込む可能性は高い。
そんなヨーロッパで、スリが少ないのが北欧である。理由は現金がほとんど流通しておらず、ほとんどの人が財布を持っていない。筆者も財布を持たず、クレジットカード決済のみで旅行をした。カメラやスマホを盗んでも、現金化が難しく、電子決済だと足が付くという仕組みだ。
ではなぜ北欧やスイスはキャッシュレス化が進んでいるかというと、これらの国は独自通貨だからである。ユーロの国々は、各国の歩調を合わせる必要があるため、独自通貨の国に比べるとキャッシュレス化は遅れている。
そのため、デンマークのバスは現金では乗れないことが多い。これが我々日本人にはちょっと不便で、大都市のバスは地下鉄などと共通なので、駅で切符を購入するか、交通カードを作る必要がある。
筆者は地方の路線バスにも乗車したが、デンマーク通貨の現金も交通カードも持っていなかったので、ユーロの現金で乗車した。
郊外バスはクレジットカードのタッチ決済で乗車、国際路線を含めた長距離バスは、スマホにそのバス会社のアプリをダウンロードし、そこから予約、クレジットカードで決済して乗車という手順であった。
タッチ決済式のクレジットカードは必須に思え、駅やバスターミナルのトイレも現金では利用できない。
■平地が多いスウェーデンの路線バスはほぼ充電式が運行!!
スウェーデンの路線バスで感じたことは、ほぼほぼ充電式であることで、騒音や排気ガスを出さずに走っていた。日本は平地が少なく、都市のバスでも少し市街地から離れると急坂があり、単純に比較はできないが、ヨーロッパは着実に電気動力に傾いていると感じた。
また、世界的に有名なスカニア、ボルボといったバスメーカーがある国である。
ヨーロッパではドイツやベルギーなどであっても、自国製バス車両ばかりとは限らず、オランダ、ポーランド、イタリア、スペインなど多種多様の路線バスが運転されているが、現在はそれらの国のメーカーに加えて、中国製の路線バスも少なからず運行されていた。
何かと世界進出著しい中国だが、世界的バスメーカーのお膝元でも中国製とは恐るべし中国であった。
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