昼間の運転にサングラスが欠かせないという人はいるのではないだろうか?太陽光や前走車のガラスからの反射などの眩しさを軽減してくれて、目へのダメージも少なくしてくれるアイテムだ。しかし、近年まではバスやタクシーといったお客様を乗せる運転士さんたちはあまりサングラスをしてこなかったが、その流れは変わりつつあるのだ。

文:西川 昇吾/写真:ベストカーWeb編集部・@AdobeStock(トップ画像=stokkete@AdobeStock)

■もはや義務化!? 偏光サングラスを導入する運行会社が続々!!

最近よく見かける運転手のサングラス。いつから装着が可能になったのだろうか(VISUAL BACKGROUND@AdobeStock)

 運転士さんは安全に車両を運行するのが最優先の業務と言える。しかし、運賃の支払いなどでお客様とコミュニケーションをする時がある。

 この時にサングラスを装着しての対応は失礼にあたるのでは?という観点から、あまりサングラスを着用しての運行はされてこなかったのだ。

 しかし、近年はそのような考えに変化が表れている。例えば富士急シティバスでは2024年4月から安全性向上のために、希望する運転士が偏光サングラスを着用することをアナウンスしている。

 また、西鉄バスグループでも2024年8月からバス運転士の偏光サングラス試験着用をアナウンスしている。

 他にも偏光サングラスを導入している運行会社は増えてきている。

 これは運行時の安全をより高めることが背景にあると思うが、運転時にサングラスをすることが、更なる安全運転に繋がるという理解が世間で広まったことも大きく影響しているのだろう。

■もちろんあります。目的と背景!!

カッコいいから着けるのではなく、明確な理由が存在するのだ(Александр Раптовый@AdobeStock)

 では、各運行会社はサングラスの導入をどのように説明しているのだろうか?

 アナウンスやリリースを見てみると、「乗務時の視認性向上および疲労軽減による安全性向上を図るため」や「『眩しさ』により歩行者や二輪車等を見落す事故を未然に防ぐこと」などが目的とされている。

 実際に良く晴れた日にサングラスをかけた場合と、かけなかった場合、それぞれで運転すると痛感するが、偏光サングラスは眩しさを抑えるだけでなく、目の疲労感も和らげてくれる。

 これは偏光レンズが、「雑光」と表現されることもあるストレスホルモンを上昇させる光をカットしてくれるからだ。

 ストレスホルモンを上昇させる光というのは、路面やガラスに反射した光のことを指している。

 これは個人的な感想であるが、これらの光がカットされることによって、運転に必要な情報がよりスムーズに入ってくる印象だ。

 何が必要で何が必要ではないかという作業に脳を使わなくて済むのも、疲労感を軽減してくれるポイントなのだろう。

■サングラスをしているから「お客様に失礼」とは思わないで!!!!

確かに無礼と感じてしまうかもしれないが、一度踏みとどまってほしい(Davide Zanin@AdobeStock)

 もしも、運転士さんがいる車両をお客さんとして利用した時に、運転士さんがサングラスをしていたら決して「失礼」などと思わないで欲しい。

 勿論、サングラスをすることへの抵抗感や得意不得意、慣れの問題はあると思うが、むしろサングラスをしている運転士さんは安全運転への意識が高いと思うべきだろう。

 接客態度も重要だが、一番は安全運転で車両を運行することだ。そう考えたときに、もはや偏光レンズを採用した偏光サングラスは運転士さんの必須アイテムと言えるだろう。

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