ホンダ米国現地法人、アメリカンホンダモーターが現地時間8月15日、「アキュラパフォーマンスEVコンセプトを世界初公開した。このEVは、ホンダが独自開発した次世代EVプラットフォームを採用する最初のモデルで2025年末から米国オハイオ州のメアリズビル四輪車工場で生産される。はたしてどんなモデルなのか、見ていきたい。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ホンダ
■ホンダが独自開発した次世代EVプラットフォームを初採用した最初のモデル
ホンダの米国現地法人であるアメリカンホンダモーターは、現地時間2024年8月15日、プレミアムパフォーマンスブランドであるAcura(アキュラ)ブランドの次世代EVモデルの方向性を示すコンセプトモデル、「Acura Performance EV Concept(アキュラパフォーマンスイーブイコンセプト)」を世界初公開。
このモデルをベースとしたアキュラのSUVタイプのEVモデルを開発し、2025年末から米国オハイオ州のメアリズビル四輪車工場で生産する。
このEVは、ホンダが独自に開発した次世代EVプラットフォームを採用する最初のモデルであるとともに、ホンダが北米におけるEV生産のハブ拠点と位置付け現在生産設備の改修を進めている、メアリズビル四輪車生産工場で生産する最初のEVモデルとなるという。ちなみに燃料電池車のCR-V e:FCEVを生産している工場だ。
このアキュラパフォーマンスEVコンセプトは、米国カリフォルニア州で行われている、ビンテージカーからレースカーまでさまざまなクルマの集まる祭典、モントレー・カー・ウィーク)のイベント「The Quail(ザ・クエイル)」(現地時間8月16日)および「Pebble Beach Concours d’Elegance(ぺブルビーチ・コンクール・デレガンス)」(現地時間8月18日)にて展示される。
思えばちょうど1年前の2023年8月17日、ホンダは「Monterey Car Week」(モントレー・カー・ウィーク)で、次世代ハイパフォーマンスEVのコンセプトモデルアキュラブランドの次世代ハイパフォーマンス・スポーツEVデザインの方向性を示す「Acura Electric Vision Design Study」(アキュラ・エレクトリック・ビジョン・デザイン・スタディ)」を発表されたが、あの時は度肝を抜かれた。
いわば新型NSXのBEV版ともいうべきモデルだったが、その前、2022年4月12日にもホンダは「4輪電動ビジネス説明会」において、公開されたのは写真のようにベールで包まれたままの2台のBEVスポーツモデルだった(写真左がスペシャルティ、写真右がフラッグシップ)。
2台のBEVスポーツと、今回発表された、大型ラグジュアリーSUVのBEV、アキュラパフォーマンスEVコンセプトと、今後のホンダのニューモデルに期待を抱かずにはいられない(もう少しの辛抱?)
■フロントは大型ラグジュアリーヨット、リアは2代目NSXをオマージュ!
アキュラパフォーマンスEVコンセプトのエクステリアはひと目見て、大型の5ドアのクーペSUVスタイルということがわかる。
フロントデザインは、スーパーヨットと呼ばれるラグジュアリーな大型ヨットからインスピレーションを得ていて、クーペのようなシルエットに、深く彫り込まれた形状のサイドパネルを備え力強いプロポーションを持つ。
そして、なんとリアのデッキリッドや左右に伸びるテールライト、大きなリアディフューザーは、2代目NSXへのオマージュしてデザインしたデザインという。たしかに一文字テールやディフューザーなどはそっくりだ。
また陰影のある魅力的なボディは、セミマット調の塗装「ムーンリットホワイトパール」で仕上げているという。
ここで、ホンダのEV戦略を軽くおさらいしておきたい。2024年3月、今後のEV戦略を発表。2024年にはプロローグとZDXを発売。2025年には中大型EVを投入後、EV専用プラットフォームのラインナップを順次拡大。2026年からはグローバルEVの0(ゼロ)シリーズを北米市場に投入し、2030年までに小型から中大型モデルまで、グローバルで7モデルの投入を計画していることを発表している。
中国市場では2027年までにEVを10機種投入し、2035年までにEV販売比率を100%とし、現在展開しているe:Nシリーズに加えて新型EV「烨(yè:イエ)」シリーズを発表し、引き続きEVラインアップを拡充。
小型EVにおいては、2024年秋に日本で発売を予定する軽商用EV、N-VAN e:を皮切りに、2025年には軽乗用EVモデル、N-ONEベースのEV、2026年には操る楽しさを際立たせた小型EVモデルを2機種発売するなど、小型EVのニーズがある地域に対して順次製品を投入する計画を立てている。
2024年8月には日産&三菱と提携し、次世代SDVプラットフォームの基礎的要素技術の共同研究やバッテリーの補完・研究、e-Axleの共通化、車両の相互補完、国内エネルギーサービス、資源循環領域での協業を行うことを発表した。
まさに目まぐるしく変わっている状況だが、今後、ホンダがどんなEVが発売していくのか、期待して待ちたい。
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