メダルラッシュに沸いた世界的なスポーツの祭典。それを見ていて、ふと思った。金色のクルマって意外と少ない? と。調べてみると少ないながらも、やっぱりあった! ということで、ここでは金色ボディの国産車をピックアップ。

文/FK、写真/スズキ、トヨタ、日産

■ゴールドのR35 GT-Rがウサイン・ボルト氏に贈呈されていたって知ってた?

“大人の感性を刺激し、大人のこだわりをも満足させるもうひとつのGT-R”をコンセプトに、新しい走りと高質なテイストを融合したR34 GT-RのM・spec。ボディカラーにはM・spec専用色としてシリカブレス(写真)をはじめ、全4色が採用された

 メーカーの標準色として“金”のボディカラーを採用するモデルは少ない。それだけに、街中で金色のクルマが走っていたら目立って仕方がないこともまた事実だが、そんな希少なモデルの筆頭として紹介したいのが、日本が世界に誇るスーパースポーツカーのGT-Rだ。

 コアなクルマ好きの人にとって“金色のGT-R”といえば、2001年5月に発売されたR34 GT-RのM・specや2015年2月に発売されたR35 GT-Rの台数限定特別仕様車である45th Anniversary(ともにカラーはシリカブレス)を思い出すかもしれない。

 しかし、それ以外にもとんでもないGT-Rが存在していた。いまだ燦然と輝く9秒58という陸上男子100mの世界記録を保持するジャマイカのウサイン・ボルト氏に、日産からゴールドのR35 GT-Rが2013年に贈呈されていたことをご存じだろうか? 

 2009年にプライベートでGT-Rを購入したボルト氏。

 これが契機となって2012年にGT-Rのブランドアンバサダーに就任したボルト氏は、世界中の空港で展開されたグローバルブランドキャンペーンの広告にも登場した。

  同年10月にはゴールドメダルにちなんだゴールドのGT-Rが限定生産され、チャリティオークションを実施。その売り上げはウサイン・ボルト基金へ寄付され、ジャマイカの子どもや若者への教育や文化の活動に使われた。

 そんなゴールドのGT-Rは2013年モデルをベースに、ボルト氏のドライビングスタイルに合わせたチューニングを実施。

 華やかなホワイトのインテリア、BOSEオーディオシステム、ハイパーチタニウムカラーコートを施したレイズの10本スポーク鍛造アルミホイールなども採用されたが、これらはすべてボルト氏自らがチョイスしたものでもあった。

 先述したチャリティオークションでは約1570万円で落札されたというのだが、現在のGT-Rの車両本体価格を考えると想像以上にお値打ち価格でビックリ! という人も多いのでは?

■現行の国産車で唯一無二の存在かも? 新車でゴールドが選べるアクア

 次の10年を見据えたコンパクトカーを追求するべく高い実用性はもとより、ハイブリッド専用車として圧倒的な低燃費・静粛性を低価格で実現したアクア。

 2011年に登場した初代モデルはグローバルで約187万台を販売し、約1240万トンにものぼるCO2を削減するなど、サスティナブルな社会の実現に大きく貢献したことでも知られている。

 そんなアクアは2021年7月にフルモデルチェンジが行われ、2代目が登場。

 その際にボディカラーも一新しており、後発のGR SPORTと特別仕様車のZ“Raffine”を除くすべてのグレードでブラスゴールドメタリックが設定されている。

 比較的おとなしめのボディカラーが多いアクアにあって、ブラスゴールドメタリックはその名のごとく、銅と亜鉛を混ぜ合わせた合金である真ちゅうをイメージした色合いで高い上質感はもとより、アクアの存在感のいっそう際立たせる印象を与えている。

 走りの面でも大きく進化を果たした2代目は初代モデルのニッケル水素電池に比べてバッテリー出力が約2倍に向上した世界初採用のバイポーラ型ニッケル水素電池によってアクセルレスポンスの向上とリニアでスムーズな加速を実現。

 また高効率の1.5リッターダイナミックフォースエンジンとアクアに最適化したHEVシステムによって、コンパクトカークラストップレベルの35.8km/Lという燃費性能を達成している。

 昨今はガソリン代も決して安くはないだけに、この低燃費ぶりはうれしいかぎりだ。

 加えて、現行の国産車では唯一無二ともいえる金色のボディカラーを採用するモデルという希少性の高さもあって、街中で見かけたら思わず二度見しちゃうこと必至!?

■これぞ、まさに“金メダリスト”といわんばかりの2代目ノートのMEDALIST

ノートの最上級グレード“MEDALIST”は特別感満点のボディカラーに加え、本革巻3本スポークステアリング、各種シルバーフィニッシャー、日産のコンパクトカーでは初採用となったアラウンドビューモニターなどを標準装備

  「これまでのコンパクトカーにはなかった爽快な走りと、使いやすい装備で自在に楽しめるコンパクトカー」をコンセプトに2005年1月に登場した初代ノート。

 ヴィッツ&フィットの二大絶対王者が圧倒的な人気を獲得していた当時のコンパクトカー市場においてはやや苦戦を強いられたノートではあったが、2012年9月にデビューした2代目で大きく躍進! 

 ダイナミックなデザインや快適な室内空間に加え、直噴ミラーサイクルエンジンに高効率スーパーチャージャーを組み合わせたHR12DDRエンジンがクラスNo.1の低燃費と気持ち良い走りを両立したことなどが高く評価され、2013年のRCJカーオブザイヤーを受賞。

 同年の9月と10月にはそれぞれ1万台を超える販売台数を記録する快進撃をみせた。

 そんな2代目ノートの最上級グレードにあたる、その名もまさに“MEDALIST”のボディカラーに採用されたのが、金色に輝く専用の特別塗装色“ビートニックゴールド”だった。

 MEDALISTはプレミアム感が高いボディカラーに留まらず、内装もスウェード調クロスと合皮のコンビシート、ピアノ調センタークラスターフィニッシャー、本革巻3本スポークステアリングに加え、メッキアウトサイドドアハンドルを採用することでクラスを超えた上質感も提供。

 2016年11月に登場し、その人気を不動のものにしたノートe-POWERにおいてもカラーの名称が“ギャラクシーゴールド”に変更がなされたものの、金色のボディカラーは継続して採用された。

 ちなみに、日産ではノートの他にも3代目のエクストレイルでノートe-POWERと同じギャラクシーゴールドを、2012年6月に発売されたジュークの特別仕様車・プレミアムホワイトパッケージでメローゴールドという金色のボディカラーを採用したモデルが発売されている。

■“黄金の太陽”ことヘリオスゴールドパールメタリックが眩しかった4代目スイフト

 世界販売台数が約900万台にものぼるグローバルモデルのスイフト。

 2023年12月には5代目へとフルモデルチェンジを果たし、その高いデザイン性や走行性能に加え、安全装備や利便性が高い充実の装備が各方面から好評を博している。

 一般社団法人 日本自動車販売協会連合会が発表した2024年1月~6月の乗用車ブランド通称名別順位でも1万8411台の21位にランクイン。コンパクトカーではヤリス、ノート、フィット、アクアに次ぐセールスを記録している。

 現行モデルのボディカラーはモノトーン9種類、2トーン4種類が設定されているが、そのなかには残念ながらゴールドの設定はなし。

 しかし、2017年1月にデビューした4代目のスイフトではヘリオスゴールドパールメタリックというボディカラーがあった。

 こちらの4代目も5代目に負けず劣らずのハイスペックが自慢。

 大胆かつ躍動感あるスタイル、歴代スイフトが磨き続けたハンドリング性能の向上、マイルドハイブリッドや軽量化と高剛性を両立させた新プラットフォーム・HEARTECTの採用、低燃費を追求した1.2リッター自然吸気のデュアルジェットエンジンにより、優れた走行性能と燃費性能を両立。

 また、RStグレードには1.0リッター直噴ターボのブースタージェット エンジンと6速ATも採用。

 加えて、単眼カメラとレーザーレーダーによる衝突被害軽減システムや自動でハイビームとロービームを切り替えるハイビームアシスト機能、前走車との距離を一定に保つアダプティブクルーズコントロールなども装備し、安全装備と運転サポート機能も超充実。すべての面で大幅な進化を遂げていた。

 そんな4代目スイフトのヘリオスゴールドパールメタリックはフルモデルチェンジ前の2019年3月に廃止されたが、スイフトの他にも2016年12月に発売されたソリオバンディットの特別仕様車“Fリミテッド”や2024年2月に生産終了となったイグニスにもヘリオスゴールドパールメタリックが採用されていたことはつけ加えておきたい。

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