都営バス100周年×はとバス75周年記念コラボ企画 夏休み親子限定!! 都営バス自動車工場潜入ツアー」が8月20日、開催された。ツアーの目玉は、約1400台の都営バスを整備する自動車工場の見学だ。

都営バスは1924年1月18日に乗合自動車の営業を開始し、今年で100周年を迎えた。いっぽうはとバスは1948年8月14日に創業し、翌年3月19日に東京都内の定期観光バスを運行開始してから75周年を迎えた。これを記念して、両社は親子向けの特別ツアーを企画した。東京の普段の足と観光の足とのコラボだ。

ツアーは中央区の京橋エドグラン発着、午前と午後の2部が実施され、それぞれ小中学生と保護者の2名1組、40組が参加(募集時点)した。江東区東雲にある都営バス自動車工場では、普段見ることのできない点検作業の見学や、乗車しながらの洗車機体験、運転席での写真撮影が行われた。さらに、ツアー途中でははとバスと都営観光バス(全5台しかない)の車両を乗り換える機会も提供された。

2024年度期首の都営バス車両数は1445台。内訳は一般乗合バスが1336台、燃料電池バスが75台、フルフラットバスが29台、観光バスが5台。燃料電池バス以外はディーゼル駆動だ。これらバスと業務用車両の全ての車検と大規模修繕を東雲で一手に引き受けている。「自動車工場は都営バスの総合病院」と言われるように、自動車工場の主な業務は車検整備とエンジン修理・板金塗装だ。職員数は74人がいる。

都営バス自動車工場(江東区東雲)

車検は、車両をバラしてチェックして再び元の姿に戻す車検を1日で終わらせる「1日車検」だ。1日6台、1台に対し3名で整備を行なう。都営バスの車検は年1回なので、時間に余裕のある運用ではない。電装品や補器部品、ブレーキライニングなどは、予備品を活用して交換している。

エンジン修理・板金塗装については、各車庫では手に負えない大規模な修理を請け負う。1400台以上も走っていると、修繕が必要な事故が1日1台はあるそうだ。自動車工場では高い技術力で様々な部品を自作してしまう。なんと座席の表皮の張り替えも手作業だ。大量生産品ではないので自前でやらざるを得ないという事情もあるだろう。日々使用する工具から教習専用車まで製作可能だというからすごい。

乗車したまま洗車。記者も車内で体験したかった……

車両の価格は約2200万円、寿命は15年前後。7-8年目に再塗装や座席張り替えを含むリフレッシュ整備を施す。バスのような大型車両に対応できる塗装ブースは都内に3か所しかないそうで、うち1か所ははとバスだという。エンジンは都営バスでは5リットル4気筒が現在の主力だ。昔は18気筒が普通で、今は排気量あたりの出力が大きくなり、各部の負荷が大きくなっているので整備も大変だとのこと。

昼食は、はとバスツアーで人気のホテルでの洋食ランチ。東京ディズニーリゾートオフィシャルホテルのホテルオークラ東京ベイで提供され、小学生にはお子さまランチが用意された。参加者には、都営交通とはとバス両社のオリジナルグッズがお土産に配布された。バスが大好きな人や興味を持つ人には、夏休みの貴重な思い出になったに違いない。

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