カーオーディオ愛好家を増やすべく、“とっつきにくさ”の解消を目指して展開している当連載。現在は「サブウーファー」をテーマに据えてお贈りしている。今回は、「パワードサブウーファー」とは何なのかを説明していく。

◆導入しやすいのは「小型・薄型のパワードサブウーファー」。さてこれは何なのか…

クルマのドアに装着できるスピーカーでは、サイズ的に超低音までをスムーズに再生しきれない。なので、振動板の口径が大きなサブウーファーが導入されることとなる。これを使えば、音源に含まれている超低音までをしっかり鳴らせるようになる。

で、サブウーファーにはタイプ違いがいくつかある。その中で導入のハードルがもっとも低いのは、「小型・薄型のパワードサブウーファー」だ。さて、パワードサブウーファーとは一体何なのかというと……。

これはすなわち、「サブウーファーユニット」と「ボックス」と「パワーアンプ」とが一体化したものだが、なぜにボックスとパワーアンプとが一体化しているのだろうか。

実はスピーカーは、スピーカーユニットをボックスに取り付けないと体を成さない。ホームオーディオのスピーカーも、完成品として売り場に並んでいるものはすべてそうなっている。

「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(ケンウッド・KSC-SW12EQ)。

◆「ボックス」内に“裏側の音”を閉じ込めて、“キャンセリング”を防止!

ボックスが必要となる理由は以下のとおりだ。スピーカーユニットは振動板を前後に動かして空気を震わせ音を伝える。で、この作用は振動板の裏側でも起きている。

なお表側から発せられる音と裏側から発せられる音は、耳で聴く分には同じだが音波としては真逆の関係にある。そして音波として真逆の関係にある音同士は、同一空間で混じり合うと互いを打ち消し合うこととなる。

ボックスは、この打ち消し合い(キャンセリング)を防ぐためにある。スピーカーユニットをボックスに組み付ければ、ボックスの中に裏側から放たれる音を閉じ込められるので“キャンセリング”が起こらない。

ゆえにパワードサブウーファーは、ボックスも一体化させてある。つまり、スピーカーとして完成形となっている、というわけだ。

「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX400AS)。

◆「サブウーファー」を鳴らすには、力のある「パワーアンプ」が絶対的に必要!

そしてスピーカーの振動板を動かすには、「パワーアンプ」も絶対的に必要だ。例えばスマホから送られてくる音楽信号は微弱な状態なので、そのままではある程度の大きさのあるスピーカーの振動板は動かせない。

なお、ドアに装着されているミッドウーファーとダッシュボード等に装着されているツイーターは、「メインユニット」に内蔵されているパワーアンプで動かせる。

しかしサブウーファーはさらに振動板が大きいので、メインユニットに内蔵されているパワーアンプでは動かせない。より大きなパワーが必要だからだ。なのでサブウーファーを導入する際には「外部パワーアンプ」も別途用意する必要性が生じるが、パワードサブウーファーならそれも内蔵されている。

というわけなので、パワードサブウーファーを導入する場合には、これのみを設置してあとは信号配線と電源配線を行えば、音が出せる。

今回は以上だ。次回以降もサブウーファーに関連した分かりづらい事柄の解説を続行する。お楽しみに。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。