フォードモーターは8月21日、電動車事業の収益性と資本効率を高めるため、新たな電動車戦略を発表した。計画されていた全電動3列シートSUVの開発を白紙とし、ハイブリッド技術の展開を推し進める。顧客に多様な電動車の選択肢を用意し、CO2排出量の削減を目指すという。
フォードは、北米市場向けの車両計画を調整し、低価格で航続の長い電動車を投入する予定。EVでは、2026年に新しい商用EVバンを導入し、2027年には2つの新しいEVピックアップトラックを発表する予定だ。これにより、フォードは商用車と個人向け車両の両方で多様なスタイルを用意し、顧客のニーズに応える。
また、フォードは米国内のバッテリー調達計画を再編し、コスト削減と生産能力の最大化を図る。この動きは、現在および将来の電動車生産を支えるための重要なステップとなる。
電動車市場は急速に進化しており、中国の競合他社は垂直統合や低コストのエンジニアリング、多エネルギーの先進バッテリーテクノロジーを活用して世界市場でのシェアを拡大している。これに対し、フォードはグローバルな競争力を維持しつつ、選択的な顧客セグメントと製品セグメントに注力することで、収益性のある成長と資本効率を確保する方針だ。
さらに、以前計画されていた全電動3列シートSUVの開発を凍結、次世代の3列シートSUVにハイブリッド技術を活用する計画を発表した。この決定により、全電動3列シートSUVの製造資産に対する約4億ドルの特別非現金費用が発生する見通し。また、追加の費用や現金支出が最大15億ドルに達する可能性があり、これらは発生した四半期に特別項目として反映される。
フォードのジョン・ローラーCFOは、「収益性向上のためには、米国内でのバッテリー生産を加速し、先進製造税額控除の資格を得ることが重要」と述べた。また、電動車の需要が増加していることから、純電動車に対する年間資本支出の割合は約40%から30%に減少する予定だ。
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