環境にやさしい空港づくりを推進している日本航空は日本初の電動トーイングカーを那覇空港に導入した。プロペラ機などは貨物用の電動トーイングトラクターでもけん引できるが、航空機のプッシュバック・けん引にはより大きな電力が必要となり、充電設備の整備が必要だった。
このたび、那覇空港に充電環境が整ったことなどから、フランス・TLD社製の電動トーイングカーの本格運用を開始したそうだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/JAPAN AIRLINES
那覇空港に本邦初の電動トーイングカー
日本航空(JAL)は、2024年8月19日より日本で初めてとなる「電動トーイングカー」を導入し、本格運用を開始したことを発表した。空港の地上支援業務(GSE)におけるCO2排出削減や、騒音の軽減といった効果を期待している。
トーイングカーは、航空機の出発時にプッシュバック(後進)や駐機場間での移動に使用される航空機けん引車だ。今回導入するのはTLD社製の電動トーイングカーで、従来のディーゼルエンジン車と比較してCO2排出量をゼロに削減し、騒音レベルを約15%軽減する。
さらに、フル充電の状態で約23回のプッシュバックまたは、約8回のトーイングが可能で、全世界で43台の実績があるという。
なお、TLDはフランスに本社を置き、GSE機器・特殊車両を製造しているメーカーだ。
これまでJALグループでは、貨物用のけん引車両でプロペラ機をけん引する電動トーイングトラクターを導入していたが、100トン級の航空機をけん引するためにはより大きな電力を必要とするため、充電設備の整備が課題となっていた。
このたび、那覇空港に充電環境が整ったことに加えて、JALのグループ企業で沖縄県に本社がある日本トランスオーシャン航空が、導入するTLDの電動トーイングカーで運用可能なボーイング737型機を14機保有し、多数運航していることから、電動トーイングカーの効果を最大限に生かせる環境であると判断し、那覇空港での運用開始を決定したという。
国土交通省航空局は空港施設・空港車両のCO2排出削減などを提唱しており、JALとしても取り組みを推進してきた。
また、沖縄地区JALグループのSDGsの活動として日本トランスオーシャン航空が、美ら島の素晴らしい光景がいつまでも続くように、子供たちの笑顔を未来につなぐための想いをこめて「結∞ACTION」を制定し、各種の取り組みを進めている。
那覇空港におけるエコエアポート化の各種取り組みも、この「結∞ACTION」と連携して進めているそうだ。
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