株式会社ジェイシーレゾナンス(代表取締役社長:松永博司)は、自動車の進化とルールの変化に対応するための情報提供を行うARCネットワークサービスの利用者を対象とした研修・視察会「Sanyo Solution Gallery視察会」を2024年3月21日、岐阜県瑞浪市にある三洋貿易株式会社 瑞浪展示場にて開催した。

Sanyo Solution Gallery(瑞浪展示場)とは

Sanyo Solution Galleryとは、東京都千代田区に本社を置く専門商社の三洋貿易株式会社が販売代理を務める、米国のCaresoft社(自動車向けベンチマーキングソリューションカンパニー)の技術を体験できる施設であり、最新電気自動車の部品を自由に手に取って確認できる日本国内初の展示場である。日本の技術者がテスラや中国OEMのEV車の車両自体や部品を手に取って実際に見られる施設があれば、日本の自動車産業の更なる成長に貢献できるのではないかとの想いで2022年3月にオープンされた。

主に自動車メーカーをはじめ、部品を供給するメーカーや材料メーカーなどが、調査や研究開発の場として活用する施設であるが、今後更なる普及が見込まれるEVの部品や車体構造を知ることは自動車アフターマーケット事業者にとっても重要なことだと考え、ARCネットサークサービスとして視察会を企画したという。

国内外16台のEVが展示

研修は、同展示場の施設責任者・光部亮人氏による「展示場についての概要説明」から始まり、分解部品の展示車種16台(2024年3月時点)の説明などが行われた。続いてCaresoft社のデジタルベンチマークツール「Iceberg」についての説明が行われ、データと実物の両方を見ることでより理解度が高まることが伝えられた。さらに、元トヨタ自動車の開発担当者で、現在同施設の技術顧問を担う白濱氏より、ベンチマーキングツールや部品の展示がどのような意味を持つのかについて、実車の分解図などを表示しながらの説明が行われた。白濱氏は日本の自動車メーカーや部品メーカーが当分野で遅れをとっていることに触れ「このようなデータを活用することでこれから上流(メーカー)が変わってきます。その後、当然のようにアフターマーケットにも影響が及びます」と、本研修・視察会の意義に言及された。また、三洋貿易が開発中のEVバッテリーテスターなど、EVメンテナンス機器についても情報提供があった。

約1時間程度の説明の後に、展示スペースへと場所を移し展示物の説明が行われた。展示場は廃校になった中学校の校舎が再活用されており、約9万点の部品が、モーター・インバーターなどのEVパワートレインシステム、バッテリー・空調の温度管理を担うサーマルマネジメントシステム、その他車体骨格(BIW)や足回り・内外装部品など、各車の部品群ごとに比較検討がしやすいよう、体育館全面と北棟・南棟の校舎に別れて展示がされている。展示物の説明の中でも光部氏より、TESLAモデルYのバッテリーにおける各セルが冷却できるように考えられた熱マネジメントについてや、部品に隠されたちょっとした遊び心など、実車に触れただけでは知り得ない情報が提供された。

参加者からは「EVに関して少しアレルギーのようなものがあったが、実際に見てみると構造もシンプルで、EVに対する見方が変わった」、「もっと時間を掛けてじっくりと見たい。この展示場を多くの人に見学して欲しい」などの感想があがった。

今後もARCネットワークサービスでは、コンプライアンス遵守のフロント対応研修、技術の習得、ビジネス情報の収集、EVなど新規事業につながる情報など、自動車アフタ ーマーケット事業者がビジネスを継続していくうえで必要となる様々な情報提供を行なうという。

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