EVモーターズ・ジャパンは、課題解決Expo2024【エコテクノ2024】に小型コミュニティEVバスを出展した。運転士不足の問題で、路線バスが廃止されコミュニティバスも廃止の危機に陥っているが、小型の乗合バスの需要は多い。どのようなバスなのだろうか。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
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■ドア枚数に関係なく車体サイズは同じ?
同展の3日間の総来場者数は17224人となり、同社ブースにも多くの方に足を運んだ。電力を効率よく活用するための独自技術「アクティブ・インバータ」や4段階回生ブレーキ等を中心に、同社EVバスの機能や効果的技術等が発信された。
同社ではEVバスの開発を行っているが、コミュニティバス用の小型車の他に、路線車や貸切車に至るまでラインナップは多い。長く日本のコミュニティバスの需要は日野ポンチョが担ってきたので、ポンチョの仕様が事実上の標準になっている。
同社のコミュニティバス仕様の小型車にはポンチョと同様にシングルドアとダブルドアがあるが、車体のサイズは全長6.99m、全幅2.105m、全高3.1mで共通だ。ついでに立席込みの乗車定員も標準仕様で29名と共通である。異なるのは座席数で客席がシングルドア12なのかダブルドア10なのかの違いだけである。
■中型免許でいける?
定員が29名ということは、このままで中型免許で運転できることになる。実際の事業者では大型二種免許保有者が運転するのだろうが、マニア的には自家用保有という点においてハードルが下がると考えるのはまだ早すぎだろうか。
気になる航続距離は290kmだが、これは低速40㎞/hで65%の負荷重、エアコンオフ時の数値なので、実用上はもっと短いはずだが、それでもコミュニティバスでそこまで走ることはないので、夜間の充電で翌日の電力は蓄えられるだろう。
■コミュニティバスはEV車に適している?
バスの主流はディーゼル車だが、もっとも排気ガスが出るのは発進時である。よってストップアンドゴーが多い炉p線バス、しかも停留所間の距離が短いコミュニティバスとなると排ガスが出ないEV車は最適な選択と言える。
排ガスが出ないので、住宅地の狭い路地に路線を敷くことが容易になる。また内燃車と違い電気で走るモーター車は、起動と同時に最大トルクが発生するのでバスのような重量級の発進には向いているといえる。
燃費(電費)とバッテリー容量、そして電力制御の革新により航続距離は伸びる。しかし現状の技術でもコミュニティバスの市場ではEV車が活躍する場面はますます増えそうだ。
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