街角で赤提灯を見かけると心ときめくのは私、BCの姉妹メディア『おとなの週末』ライター肥田木だけじゃないはず。東銀座でもチラホラ。風に揺れる手招きにワクワクが抑えられん。こうなりゃ全部回ってはしご酒だ。題して東銀座提灯巡り弾丸ツアー! 行ってきまーす。
撮影/西崎進也(たつみ清酒堂)、肥田木奈々(銀座餃子、銀座ふくよし、長浜屋台やまちゃん)、取材・文/肥田木奈々
■勢いのある酒蔵の味を角打ちでちょいと一杯『たつみ清酒堂東京』
代表の稲野辺さんが「若い世代にも日本酒の魅力を広めたい」と11年前に埼玉で開業。問屋を通さず味に納得した蔵元とだけ直接取引して仕入れている小さな酒屋だ。こちらはその東京店。
現在扱っているのはおよそ30蔵で、商品数は約150種。角打ちの立ち飲みスペースでは常時7種ほどがワイングラス(60ml・300円~)のスタイルで気軽に楽しめる。歌舞伎鑑賞の幕間にちょいと一杯飲んでいく人もいるとか。粋だねえ。
[住所]東京都中央区銀座4-13-5
[電話]03-3542-2822
[営業時間]12時~20時 ※土・日・祝は11時~19時
[休日]無休(年始は休み)
[交通]地下鉄日比谷線ほか東銀座駅5番出口などから徒歩3分
■手作りが自慢の多彩な餃子にお酒が進むカジュアル中華『銀座餃子』
焼き、水、スープなど名物の餃子だけで13種ほど。羽根付きの「しそ餃子」(480円)はシソ入りの豚肉餡がたっぷり。水餃子「三鮮餃子」(580円)はエビ、ニラ、玉子が入り、モッチリとした皮が旨い。注文が入ってからひとつずつ包むとか。他に四川料理など多彩に揃う。
[住所]東京都中央区銀座3-12-18
■本場大阪のたこ焼きで昼も夜もご機嫌に酔える『銀座ふくよし』
「たこやきそのまんま」(600円)はカツオダシが効いていてこれぞ大阪の味。外がカリカリと香ばしく、中はとろとろアッツアツ。牛すじ煮入りなど種類も豊富。「オムそば」(900円)はボリュームも大満足。気軽なおつまみもあるので居酒屋感覚で楽しめる。
[住所]東京都中央区銀座3-12-19
■スッキリでもコク深く、〆にピッタリの豚骨ラーメン『長浜屋台やまちゃん』
朝4時まで営業なこともあり、終電近くまで列ができる人気店。スープはスッキリしつつも、とんこつ独特の風味、コクが余韻として残る。細麺ものど越しが良い。飲んだ後とはいえ勢いよく啜ってしまうのも、替え玉も仕方ない。「長浜ラーメン」(750円)、「チャーシュー麺」(950円)など。
[住所]東京都中央区銀座3-11-10
■カフェでお茶するより提灯の店で一杯?
まずビール!と赤提灯の居酒屋を探したのだが、ふと家紋入りの提灯と目が合った。看板に「うまいお酒専門店」。編集武内と顔を見合わせ、にやり。店の名は『たつみ清酒堂東京』。埼玉に本店がある小さな酒屋だ。店に入れば奥に角打ちのカウンターが控えめにひとつ。日本酒が1杯300円(60ml)から楽しめる。
銀座の高級カフェならコーヒー1杯で1000円近くする店もあるよね。お茶するより私ならダンゼンこっちで角打ちだわ。
季節限定のお酒「あべ ピンクラベルおりがらみ生」はフルーティーでやさしい甘み。グビグビいけて1杯目にもピッタリだ。お替わりくっださーい。2杯!
武「大丈夫ですか? 最初から飛ばすと大変(僕が)。すぐ転ぶし」
いいのいいの、どうせなら気遣わず金使ってくれ。
何でもオーナーは脱サラでこの酒屋を始めたそうで、実力のある若い世代の蔵元や小さい酒蔵を応援して人気ブランドになるよう一緒に盛り上げていきたいとか。素敵です。隠れた名酒を求めてお客さんがひっきりなし。いい店見つけた!
勢い付いて2軒目を物色。ウロウロしているとあっちにもこっちにも提灯がある通り見っけ。もう目がらんらん。
まず駆け寄ったのは『銀座餃子』。手作り餃子は種類も豊富。「しそ餃子」を頼むと、羽根付き&パリパリでシソの風味香る餡がイケる。ビールが進むぅ。一方、水餃子の「三鮮餃子」はモチモチの皮でジューシー。
ところで三鮮って何だっけ?
武「エビ、ニラ、玉子だそうです」
肥「ほぉ~」
武「ホケキョッ♪」
春だねえ。だいぶ酔っぱらってきた。
それにしても週末とあってお客さんでいっぱいだ。数軒隣のたこ焼き屋『銀座ふくよし』もほぼ満席で、ラストワンのテーブルに滑り込みセーフ。
実はここ、昼からたこ焼きをつまみにガバガバ飲める素晴らしい店。ヒロシ(注:編集長)に内緒だけど今回のリサーチ中、ひと息休憩する場はカフェじゃなくここ。何杯飲んだか。
■提灯巡りツアーで東銀座の魅力再発見
定番のたこ焼き「そのまんま」はダシが効いていてメニュー名よろしくそのまんまで旨い。熱々ハフハフ、火傷しそうな舌をすかさず冷たいビールでなだめる。
武「グラスが愛川欽也です!」
肥「ん?どーゆーこと?」
武「キンキンです(笑)」
肥「おぉ~~」
武「~谷翔平♪」
肥「妻の座を狙ってたのにぃぃ」
隣席カップルが珍獣を見るような視線を向けるも気にしない。
さて狙ってたといえば「うなBAR」と書かれた提灯の店。鰻で飲めるバーらしい。行こうと思ってたが、この日は待てども待てども開店しなかった。残念。
〆はこれぞ赤提灯の本場屋台の味『長浜屋台やまちゃん』。コシのある細麺の豚骨味は飲んだ〆にもバッチリだ。もうお腹いっぱい心もいっぱい。
てか今回の提灯巡りツアー、東銀座が持つもうひとつの庶民的な“顔”を見たような気がした。はとバスさん企画しませんか?ガイドやります!
『おとなの週末』/2024年5月号より
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