9月下旬にも発売予定の新型N-BOXジョイ。絶対王者N-BOXがとうとうSUV市場に殴り込むワケだが、どうしても気になるのがスーパーハイトワゴン市場を開拓したタントの行方。ファンクロスというSUVもあるうえ、アルファード顔負けのド迫力フェイスと売れる要素満載だが、どうすりゃ復権できる!?!?!?

文:小鮒康一/写真:ホンダ・ダイハツ・スズキ・ベストカー編集部

■絶対王者N-BOXがとうとうSUV市場に!! ますます盤石な体制に…

とうとうSUV市場に参入し、ライバルからすればまさに正念場!!

 軽自動車の販売台数ランキングでしのぎを削っているホンダ N-BOX、ダイハツ タント、スズキ スペーシア。現在のランキングのトップ3はこの3台がほぼ独占していることは皆さんご存知の通りだ。

 その中でもやはり頭一つ抜けているのがN-BOXだが、2024年5月度にはスペーシアがトップを奪うなど混戦状態が続いている。

 しかしN-BOXは2024年秋にもクロスオーバーテイストを纏った新モデルが登場するとウワサされており、タントはダイハツの不正問題も絡み、やや苦戦気味というのが現状。もうこのままタントは再浮上することは難しいのだろうか?

■ライバルはほぼ新車!! タント最古参も地道な改良がお見事

2019年登場の現行型ダイハツ タント。ライバルのN-BOXやスペーシアよりも古参モデルとなる

 まだまだ新しいイメージのあるタントだが、現行型は2019年7月デビューであり、2023年10月に登場したN-BOXや2023年11月に登場したスペーシアに比べると4年以上古いモデルということになる。

 とはいえ現行タントはDNGAプラットフォームを初めて採用した軽自動車であり、ターボモデルにはスプリットギアを組み込んでベルトとギアでの駆動を可能とした「D-CVT」を搭載してダイレクトな走り味とするなど、走りの面でライバルに大きく劣る部分はない。

 またこの3車種では唯一となる助手席側のBピラーをドア側に埋め込むことで大開口を実現した「ミラクルオープンドア」を採用するなど、使い勝手の面でも唯一無二の存在となっているのだ。

 さらに2022年10月の改良ではスペーシアギア対抗のクロスオーバーテイストを持った「ファンクロス」を追加し、カスタム系は大型ミニバンで人気の大型フロントグリルを採用するなど、時代の流れを汲み取る進化をしている点もさすがといったところ。

■タントえらすぎ!! ノーマルモデルでターボ選べるのはタントだけ!!

 そして個人的に素晴らしいと思えるのが、標準系のグレードにもターボエンジン搭載車を設定している点だ。

 ライバル2車種はターボエンジン搭載車を狙おうとするとカスタム系にしか設定がなく、どちらも200万円を超える車両本体価格となっているのだが、タントの標準系ターボの「Xターボ」は161万7000円からと、40万円以上安い価格でターボ車に乗ることができるのである。

 このように、まだまだライバルに対しても魅力のあるタントだが、販売台数ランキングで苦戦している理由は、すでに登場から年数が経過し、タントが欲しい人には行き届いてしまっていることが一番大きな理由だと考えられる。

 そのため、そろそろやってくるであろうフルモデルチェンジのタイミングで再びN-BOXやスペーシアに迫る販売台数を記録することができるのではないだろうか。

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