若者のクルマ離れ、というワードが飛び交い始めたのはいつからであろうか。確かに、全盛期の最前線を走っていたクルマは中古相場を見ても高くなったし、若年層からすると選択肢が少ない。だが、そんな現代でも昔のような遊び方ができるクルマを、ついに発見してしまった!?そこで今回は、先代のアルトバンに注目してみたいと思う。
文:西川 昇吾/写真:ベストカーWeb編集部
■そもそもなぜ、アルトバンなのか。
なぜ、先代アルトバンなのか?その理由は様々なだが、まず値段が安いことが大きな理由の1つだ。ヤフオクなどを駆使すれば30万円程度から入手することが出来るだろう。
また、先代モデルまではMTがラインアップされていたことも大きい。現行モデルはCVTのみだ。現代では2ペダルが当たり前だが、やはり遊ぶことを考えると3ペダルが良いという声が多いだろう。
そして、安さはイニシャルコストだけでなく、ランニングコストにも表れている。4ナンバー登録となるVPグレードを選べば、税金などのランニングコストは安く済む。
毎年車検となるが、乗用グレードより各種ランニングコストがリーズナブルになるのは間違いないだろう。
値段だけで考えれば、もっと古い型式で年式が安いモデルもあるが、年式的に考えても「壊れない」「部品がある」という面を考えると先代モデルとなるHA36系アルトをオススメしたい。
そういった面から見てもランニングコスト的に大いにアリな選択肢なのだ。
■もちろん価格だけじゃないぞ! 軽さも魅力だ!
もちろん、メカニズム的HA36系アルトを推したい部分がある。それは軽さだ。8代目となるこのHA36系アルトは当時新開発のプラットホームが採用された。
そのプラットホームは「HEARTECT(ハーテクト)」と呼ばれるものだが、現在のスズキの主要なプラットホームとなっている。
このHEARTECTはHA36系アルトから採用が始まったのだが、以前よりも軽量・高剛性になったのが特徴的だ。その結果、大幅な軽量化を実現。
今回オススメしているバン系グレードで比べてみるとなんと約100㎏の軽量化を実現しており、その車重は610㎏だ。ローパワーなこのクラスでは100㎏の恩恵は大きい。
さらに、全高も7代目モデルと比べると60㎜も低い1475㎜となっていて、コーナーリングでの安定感も8代目モデルの方が高い。このウエイトとディメンションの違いは大きなメリットだ。
■え、そうなの!? 実はチューニング手段も豊富
そしてチューニングパーツも豊富なのがオススメ出来るポイントだ。
マフラーやサスペンション、ブレーキパッドといった定番アイテムはもちろんであるが、サブコン的なコンピューターチューニングのキットも展開されていたり、ボルトオンターボキットを販売しているパーツメーカーやショップもある。
また、HA36系アルトはアルトワークスなどのスポーツ系モデルも存在したので、純正パーツの流用チューニングが行えるのも嬉しいポイントだ。
最初はローパワーなノーマルで腕を磨いて、徐々にチューニングによる変化を安く学ぶこともできるクルマなのだ。
安いから買ってヨシ、所有してヨシ、腕を磨いてヨシ、弄ってヨシ、先代アルトバンはそんな安く長く遊べるクルマと言えそうだ。
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