ウィラーグループのWILLER ACROSSは、キッチン付き『レストランバス』のレンタルを通じて各地域の課題を解決するビジネスモデルを展開している。提供実績が今年8月で23都道府県43プロジェクトを達成した。この秋には新潟や愛媛で運行を予定している。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
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■レストランバスとは?
レストランバスは、「そこにしかない日本を食べよう」をコンセプトに、2016年に日本で初めて新潟市で運行し、その後も北海道から沖縄まで全国各地で運行している。食や景色、文化など、その土地ならではの魅力を楽しむコースを提供するとともに、生産者をはじめとする地域の人々との交流や体験など、地域に点在する魅力をレストランバスが繋げることで、地域の新たな魅力を創出してきた。
国内で唯一のキッチン付きのレストランバスはWILLERグループが独自開発した車両で、WILLER ACROSSでは全国各地の自治体や企業等にレストランバスを車両レンタルし、コンテンツソリューションの提供を行っている。
「地域に点在する魅力的な食や風景をつなぐ移動手段がない」「何か面白いプロモーションをしたいけど、何をすればいい?」といった各地域が抱える課題の解決に、レストランバスの提供を通じて寄与している。また、点在する観光スポットを繋ぐ観光コンテンツとしての活用だけでなく、大きな車体にラッピングを施すことも可能でPRとしての活用もできる。
■各地で活躍するレストランバス
2024年度の地域へのレンタルモデルの実績としては、2024年3月~5月にレストランバスで食す フレンチフルコース 淡路島を、2024年8月にレストランバス×長岡花火大会を、2024年8月~9月には舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』総観客数100万人突破記念!ラッピングバスを運行している
このバスは日本製の最後のだダブルデッカー車である三菱ふそうのエアロキングを改装して製造されている。エアロキングは高速バスで一世を風靡したが、製造終了から年月が経過し車齢も進んだことから維持が難しくなっている。高速バスの世界ではもう残りはわずかな台数しか現役で走ってない貴重な車両だ。
■1階に厨房を設置
レストランバスは1階にキッチン、2階に乗客25名が着席できる対面式の座席とテーブルが設置されている。さらにテーブルには、グラスやボトル類を固定するオリジナルのグラスホルダーを完備しているため、アルコールやソフトドリンク類の提供も可能で走行中に倒れることはない。
さらに天井が開閉式の透明屋根になっており、あたたかな天気の良い日にはオープントップで開放的な景色を楽しめる。天気が悪い日には透明の屋根を閉め、景色を楽しみながら快適に食事ができる。
■高さとマニュアル車の特徴を最大限生かした車両
二階建ての特徴を生かして乗用車や徒歩では目にできない迫力の車窓と、それに付随する料理を堪能できる車両はエアロキングならでは。またマニュアルトランスミッションであるからこその微妙な速度調節やショックのない走りは運転士の技術と古いが完成されたマニュアルやだからこその乗り心地だ。
ダブルデッカー車に乗ることは高速バスでも可能だが、食事をしながらとなると、さらにエアロキングとなると期間はぐっと少なくなる。機会があればぜひ乗っていただきたい車両だ。
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