2024年5月末、トヨタ、スバル、マツダが電動化時代のエンジン技術を発表したが、ルノーもエンジンに力を入れている。内燃機関部門を別会社とし、中国の吉利が出資。さらにサウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコが出資者として名を連ねた!!

※本稿は2024年7月のものです
文:角田伸幸/写真:ルノー、サウジアラムコ ほか
初出:『ベストカー』2024年8月26日号

■ルノーに強力な助っ人出現!?

アラムコのサポートで2022年のダカールラリーを戦った水素燃料車両(アラムコHPより)

 2024年5月末、トヨタ、スバル、マツダが電動化時代のエンジン技術を発表したが、内燃機関の可能性に賭けているのはもちろん3社だけじゃない。最近注目されているのは、日産&三菱の提携先でもあるルノーだ。

 ルノーは2022年、日産との関係見直しの過程で、同社の内燃機関部門を切り出して、「ホース(馬!)」という別会社にすることを明かした。

 この会社は2024年5月末、中国の吉利も出資して「ホースパワートレーン」として出発したのだが、そこに強力な助っ人が現われた。サウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコだ。

 同社は長く時価総額世界一に君臨した巨大企業だが、近年の脱炭素の流れを受けて総合エネルギー・化学企業へと脱皮を図っている。そのひとつとして次世代エンジンに目を付け、ホースに出資したのだろう。

 アラムコの狙いだが、トヨタが先行する水素エンジンではなかろうか。同社は原油(炭化水素)からの水素分離に取り組んでおり、水素エンジンはその絶好の使い道だからだ。

 アラムコの支援を得て、ホースの水素エンジン開発は加速しそう。日本勢はうかうかしていられないぞ。

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