日産自動車は9月5日、英国サンダーランド工場の生産部門全体が、手話学習でチーム力を向上させる取り組みを開始した、と発表した。
同工場では、6000人の従業員が一体となって毎年数十万台の車を生産している。しかし、聴覚障害を持つチームメイトがいる場合、コミュニケーションが難しくなる。そこで、工場全体で手話を学ぶことにした。
塗装工程のシニアスーパーバイザーのピーター・ヘイドン氏は、「チームには聴覚障害者が4人おり、コミュニケーションが課題だった。全員がチームの一員として感じられるように、手話を学ぶことを決めた」と語る。
最初にピーター氏を含む10人が11週間のコースで手話の基本を学んだ。ピーター氏は「手話を学ぶのは簡単ではなかったが、チーム全員が熱心に取り組み、6週目に習得し始めた」と述べた。手話を学んだメンバーが他の従業員にも教える姿は感動的だったという。
また、手話学習だけでなく、トレーニングや会議、ブリーフィングなどの活動には視覚的な支援も導入された。さらに、手話通訳者も定期的に現場に派遣されている。
聴覚障害を持つオペレーターの一人、マイケル・コノリー氏は「言語の壁が一部取り除かれ、チームの士気が大いに向上した」と語る。
HRディレクターのマイケル・ジュード氏は、「以前から聴覚障害者のために作業環境を調整してきましたが、今回はさらに一歩進んで手話を学ぶことにした。これはチーム全体が協力し合い、互いを支援する素晴らしい例」と述べている。
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