2024年1月の東京オートサロンで展示されていたホンダ シビックRSが遂に登場する。登場時期は今年の秋とのことで今から待ちきれない! そこで今回は、往年のシビックRSをはじめとするホンダRSの系譜、さらにRSのルーツまでをさかのぼってみよう。

※本稿は2024年8月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ホンダ
初出:『ベストカー』2024年9月10日号

■「RS」と言えばナナサンカレラだ!

1973年、グループ4スペシャルGTのホモロゲ用に市販された911カレラRSが「RS」の代名詞だ

 「レンシュポルト」。英語で言えば「Racing Sport」の頭文字が“RS”……というのが一般的な解釈だろう。

 あまりにも有名な「RS」、1973年、ポルシェがグループ4スペシャルGTのホモロゲーション取得のために限定生産した「911カレラRS」、いわゆる「ナナサンカレラ」は、まさに「レーシング・スポーツ」のRSであった。

 「RS」を「Road Sailing」と解釈したのがホンダの独自性を感じさせるエピソードだ。道路をヨットのようにセーリングする。ゴリゴリのサーキットスペシャルではなく、一般道をキビキビと楽しく走り回れるクルマ……。これが1974年10月、ホンダ初の「RS」として登場したシビックRSだったのだ。

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■1974年10月……ホンダ シビックRS登場

1974年、初代ホンダ シビックの1.2Lエンジンを66psから76psにパワーアップし、専用サスなどでスポーティに仕立てたのがシビックRSだ

 初代シビックに搭載された1.2Lエンジンは最高出力66psだったが、スポーツタイプのキャブレターを採用することなどにより76psにパワーアップ。5速MTを組み合わせるとともに、専用チューニングサスを採用し、走りを楽しめるモデルとしてアピールした。

 上の写真にもあるオレンジのボディカラーがシビックRSのイメージとして刻まれた。

 このように鮮烈な印象を残したシビックRSだが、10カ月後の1975年8月、排ガス規制に対応するためシビックシリーズ全体の1.2LエンジンがCVCC化されたことでRS用エンジンは廃止となり、後継モデルとして1.5Lエンジンを搭載する1500RSLが登場。事実上純粋な「RS」は消滅したのだった。

 シビックにRSが復活するのは、実に49年ぶりということになるのだ。

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■ちょうどいい走りが気持ちいい! ホンダ フィットRS

2007年、2代目にモデルチェンジしたフィットに「RS」が追加された

 そんなわけで「シビックRS」は49年ぶりの復活なのだが、もちろん、ホンダは「RS」をないがしろにしていたわけではない。

 歴代シビックが担っていた“コンパクトなハッチバックモデル”のポジションを受け継いだのがフィットだ。このフィットが2代目にモデルチェンジされた2007年、「RS」がホンダに復活した。シビックRSの消滅から実に32年ぶりのホンダRSモデルの登場だ。

 フィットRSは初代シビックRSの文法に則って、一般道で普通に運転してスポーティで楽しいクルマを目指した。以来フィットには代々「RS」が設定され、現行モデルにもフィットRSが追加されている。

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■キビキビ走る軽スポーツ……ホンダ N-ONE RS

2017年12月、先代型のマイナーチェンジに合わせて追加されたホンダ N-ONE RS

 現行型「RS」として注目したいのがN-ONE RSだ。2017年12月、先代型のマイナーチェンジに合わせてN-ONEにRSが追加されたのだが、2020年5月にN-ONEが2代目にモデルチェンジすると、6速MT仕様が設定され、これがますますRSらしさに磨きをかけた。

 実はこの6速MT、S660に搭載されたものと同じで、1~5速のギア比がクロスしたスポーティ仕様。インパネ配置のシフトノブは節度感あるタッチでコキコキ動かすのが楽しい。

 2速が30~60km/hをカバーするので、ちょっとしたワインディングを2~3速を使って走るのが気持ちいい。

 全高1545mmのN-ONEなのでちょっと重心の高さは感じるけれど、軽快なフットワークを楽しみながら程よく使いきれるエンジンパワーをマニュアルシフトで引き出して走る感覚はまさにRSらしさを満喫できる。これがホンダのRSなのだ。

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