新型スペーシアのボディサイドには、まっすぐ伸びる2本の凹みがある。まるでホンダのN-VANを思わせる処理だが、そこには遅れて登場したスペーシアギアにまつわる深ーい秘密が隠されていたのだ!

文:ベストカーWeb編集部/写真:森山良雄、ベストカーWeb編集部

■ボディ側面にあるビード状処理とは?

スペーシアファミリーはすべてボディの横に細い凹みが入っている

 そもそも初代スペーシアギアとは、2代目スペーシアの開発末期に本家スペーシアから分岐した派生モデルだった。

 いっぽう今回登場した新型は、3代目スペーシアのプランニングの段階から登場が織り込まれていたから、もともとの「素のスペーシア」にも、将来のギアを見越した配慮があちこちにあるという。

 一番わかりやすいのが、ボディサイドにあしわれたビード処理だろう。新型スペーシアは素のモデルもカスタムも、ボディ側面に、細い紐(ひも)のような凹みが前から後ろまで2本入っているのだ。

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■コンテナや工具箱のような「道具感」を演出

スペーシアは最初からギアの存在を意識してデザインされた

 文字通りビードとは「紐」のことだが、ビード処理は平べったい鋼板などに曲げ強度を持たせたいときに使われる工業製品向けの加工技術。このおかげでスペーシアは、コンテナのような「道具っぽい」イメージがあるのだが、これこそ、スペーシアギアを想定してデザインされた部分なのだ。

 この他にもスペーシアは、ボディ全体をスクエア(箱状)っぽく仕上げつつも、縁をとがらせずに面取り処理をしたような味わいがある。これまたコンテナや工具箱のような道具感をうまく演出しているといえる。

 こうしたスペーシアギアを重視するデザイン的配慮は、つまりスペーシアギアがスペーシアというモデル全体をひっぱる重要なモデルになってきたことを意味する。SUV系スーパーハイトワゴンの人気は当分続きそうだ。

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