主力がN-BOXなど背の高いモデル中心となったホンダだが、かつてはインテグラやCR-Xなどファン心を鷲掴みにするスポーティーなクルマが勢ぞろいしていた。今やスポーツカーにとって厳しい時代だが、14年前にCR-Zを発売。よくよく考えればCR-Xにシルエットが似ていたような……やっぱりCR-Xの再来だったのか!?!?!?

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

■世界初のハイブリッド6速MTだった!! ホンダの意地がお見事

CR-Zは内装もお見事だった。エアコンや走行に関する操作系は運転席まわりに集中させる徹底っぷり

 環境負荷の問題などもあり、電動化が避けられない状況となりつつあるクルマ業界だが、電動車=退屈なもの、というイメージがまだまだ払拭できていない。

 そんな中、いち早く電動車でも運転する楽しさを享受できるモデルとしてホンダがリリースしたのが、2010年2月に発売されたCR-Zだ。

 このCR-Zはコンパクトでスポーティなスタイルのボディに1.5Lエンジンとハイブリッドシステムを組み合わせたモデルで、ハイブリッド車としては世界で初めて3ペダルの6速MTを設定していたことが大きなトピックだった。

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■CR-X後継じゃないけど…空力追求で似たスタイルってマジ!?!?

CR-Xが現代に蘇った!! と当時いわれたほどのデザイン

 そんなCR-Zのデザインは2ドア+大型リアハッチというスタイルで、テールエンドを切り落としたかのような形状のリア部や、それに伴ってリアゲートに備えられたエクストラウインドウは往年のホンダライトウェイトスポーツのCR-Xを思わせるものとなっていた。

 しかし当時の開発メンバー曰く、特にCR-Xの後継車種として作ったワケではなく、ライトウェイトなコンパクトスポーツを作ろうとした結果、似通ったデザインとなってしまったと話していた。

 確かに空力性能を考えるとリアハッチの傾斜をなだらかにして、リアエンドを切り落とすスタイルをする方が有利であり、CR-Xだけでなく初代インサイトや2~4代目のプリウスなども同様のスタイルを採用している。

 とはいえ、一切CR-ZがCR-Xをモチーフにしていなかったかといえばそうでもないようで、車名からしてもCR-Xを意識していないというのはさすがに無理があったと言えるだろう。

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■ファンを逃さないのはさすが!! ハイパワー版もしっかり出したのはホンダらしすぎ

 ただ、本格的なライトウェイトスポーツとして、シビックをも上回るクイックなハンドリングとリッター100PSを達成したDOHC VTECエンジンを搭載していた2代目CR-Xと比較すると、スポーティではあるものの、あくまでハイブリッド車であるCR-Zはマイルドな味付けとなっていたことは事実で、CR-Xの後継車種としてリリースすることで過度な期待を持たせることを危惧したのかもしれない。

 CR-Xとの関係性を否定していたものの、実際に発売されてからはやはりCR-Xと比較するユーザーは少なくなかった。

 物足りなさを口にする人もいたが、ホンダもそれに応えてバッテリーをリチウムイオン電池として電圧を高め、モーター出力を向上するとともに、エンジンの高回転化でパワーアップを図るなど、たゆまぬ改良を重ね、およそ7年という比較的長いモデルライフを全うしたのだった。

 さすがにその後は実質的な後継車種は登場しなかったが、新世代のハイブリッドシステムであるe:HEVを搭載したシビックがスポーティな走りを楽しめるハイブリッドモデルとして高い評価を集めたほか、まもなく久しぶりの2ドアクーペであるプレリュードも復活がアナウンスされるなど、現在でも楽しく走れるハイブリッドの開発に余念がないホンダ。これもCR-Zという存在があったからこそとも言えるのではないだろうか。

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