PHEV(プラグイン・ハイブリッド)を持たない日産が、こいつを自社開発するという報道がなされている。はたして本当なのか。出るとしたらどんなモデルなのか? 可能性を探ってみた。

文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車

■もはやPHEV抜きのラインナップは考えられない

日産エクストレイルはe-Powerの代表選手だがPHEVがない

 このニュースは9月23日に日本経済新聞が報じた。日産がPHEVを自社開発し、2020年代後半にも販売できる準備を整えるという内容だ。なおホンダは三菱からのOEMを検討するというから、これはアウトランダーPHEVになる可能性が高い。

 状況を整理すると、日産は今のところPHEVを市販していない。ハイブリッドシステムはe-POWERに依存しているわけだが、現状のe-POWERのバッテリーは小さく(エクストレイルで1.8kWh)、EVモードで長距離を走行することはできない。

 いっぽう世界的にPHEVの重要さは増している。とくに急を要するのは欧州で、EVへの中継ぎ役としてはPHEVだけが生き残る可能性が高い。トヨタのプリウスですら、欧州ではPHEVしか販売していないのだ。

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■すでにe-POWERのPHEV版は完成間近か?

エクストレイルの1.5LVCターボのe-POWER

 こうした状況を考えると、日産がPHEVをラインナップすることはマストであり、報道は確度が高い。ではなんで三菱からのOEM供給ではダメなのか。もちろん、アウトランダーと同じプラットフォームを使う兄弟車、エクストレイルがあるからという理由は分かる。

 しかしそれ以上の理由がありそうだ。過去にも日産関係者にe-POWERのPHEV仕様について尋ねたとき、「検討はしている」との回答だった。となるとOEM供給を断る最大の理由もこれじゃないかと考えたくなる。e-POWERのPHEV仕様は、すでに完成間近なのだ。

 e-POWERのPHEV版が完成すれば、日産としては恩恵は大きい。

 さすがにノート/ノートオーラ/北米キックスはCMF-Bプラットフォームのため、PHEVのバッテリーが積めそうもないが、アウトランダーPHEVが使っているCMF-Cプラットフォームなら、エクストレイルのほか、欧州のドル箱でもあるキャッシュカイにも搭載可能だからだ。

 実際、キャッシュカイは2021年に欧州デビューしたとき、将来のe-POWER投入を予告したが、2024年のビッグマイナーチェンジでもe-POWERを搭載しなかった。これも「まもなくPHEV版e-POWERを投入予定だから」と考えれば、合点がいく。

 いずれにしろ、PHEVの投入は日産にとって待ったなし。一刻も早いデビューを期待したい。

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