今でこそパンク修理キットを装備するのが当たり前になりつつあるが、少し前までは当然のようにスペアタイヤが標準装備であった。車種によって取付位置もさまざまだったが、個人的に斬新だったのが初代オデッセイだ。だって3列目シートの横にドーン!! と設置。なんでこんな場所に……!?!?!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■超珍しくなったスペアタイヤ!! でもパンク修理キットじゃ賄えないこともあるのよ結構……
どんなにドライバーが気を付けていても発生してしまう可能性のあるトラブルのひとつ、それがタイヤのパンクだろう。読者の中にも知らないうちにタイヤがパンクしていた、という経験がある人もいるかもしれない。
そんなときに必要となるのがスペアタイヤということになるのだが、近年はスペース効率や重量増によって燃費性能や運動性能が低下することを嫌ってパンク修理キットに置き換えられた車種も少なくない。
しかし、パンク修理キットで修理できないパンクやバーストが起きてしまった場合はやはりスペアタイヤの方に分があるということになるのだが、スペアタイヤの場所に苦労の跡が見られる車種も過去には存在していた。
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■ええ、そこ!? ほぼむき出し!! 3列目シートの横に設置ってマジかよ
工場のキャパシティ的に背の高いミニバンを作れなかったホンダが、現状の設備で生産できる苦肉の策として背の低いミニバンをリリースしたところ、爆発的ヒット作となったことでも知られる初代オデッセイ。
その初代オデッセイは3列目シートをフロア下に格納することで広くフラットな荷室スペースを実現可能としていたが、その影響でトランクフロア下が定位置だったスペアタイヤを設置することができなくなってしまった。
そこでホンダはスペアタイヤを3列目シートの右側に立てかけるように設置。幸い(?)3列目シートは2名乗車となっていたので、そこまで乗員スペースを犠牲にすることなく収めていた。ちなみに2代目オデッセイでは一般的な車両と同じくトランクフロア下にスペアタイヤが搭載されていたのだ。
だが、北米向けの2代目オデッセイ、つまり日本ではラグレイトとして販売されていたモデルに関しては、2列目シートの足元辺りにスペアタイヤが格納されており、車両中心部の底面に重量物であるスペアタイヤを配することで、低重心化と運動性能の向上がうたわれていた。
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■初代セレナも大変だったのね……ちょっとした事故でフロア変形も!?!?
フラットなフロアが求められるミニバンは他メーカーでもスペアタイヤの搭載位置には頭を悩ませていたようで、日産のセレナ(C25~C26型)やラフェスタ(初代)などはトラックやバンのように床下に吊り下げる形でスペアタイヤを搭載していた。
とくにセレナは車体中央の助手席側スライドドア寄りにスペアタイヤを吊り下げていたため、運転ミスで縁石などに乗り上げてしまった際にスペアタイヤをヒットし、そのままフロアまで変形してしまうという不幸な連鎖が巻き起こるケースもあったという。
そういった意味ではあまり出番のないスペアタイヤを搭載するよりは、補修可能なパンクは修理キットで対応し、対応できないほどのパンクのときはレッカーを手配すると割り切ってしまった方がメリットが多いと言えるのかもしれない。
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