自分のバイクのタイヤを交換する場合、必ずチェックしたいのがサイズです。タイヤのサイズは、サイドウォールなどにある数字や記号で確認できますが、特に、バイクの初心者などには、どんな意味があるのか分からない人も多いでしょう。
そこでは、ここでは、タイヤサイズの見方について紹介。暗号のように見えるけれど、意味が分かれば意外と簡単ですし、自分のバイクがどんな性能を持つのかの参考にもなるので、ぜひ覚えておきましょう。
一般的なのはメトリック(ミリ)表示
まずは、近年、一般的に使われているメトリック(ミリ)表示について解説します。基本的な表示は、4輪の乗用車用のものと同じですが、一部バイク特有の表記もあるので注意しましょう。
なお、これらサイズ例は、ラジアルメトリック(ミリ)表示の一番上がホンダ「CBR650R」用、その下(真ん中)がホンダ「CL250」用、バイアスメトリック(ミリ)表示の例(一番下)がヤマハ「XSR125」用で、すべて後輪タイヤのサイズです。
いずれも、「タイヤ幅」「扁平率」「構造表記」「リム径」「モーターサイクル用表記」「荷重指数」「速度表記」の順番に並んでいますよね。それぞれの意味は次の通りです。
【タイヤ幅】
タイヤ幅とは、タイヤの断面幅のことで、無負荷状態のタイヤの最も幅の広い部分を測定した値です。上の例では、CBR650Rの後輪用が180mm、CL250の後輪用が150mm、XSR125の後輪用は140mmのタイヤ幅であることが分かります。
【扁平率】
扁平率とは、タイヤ幅を100としたときのタイヤの高さを比率で表したものです。
「扁平率(%)=(タイヤの高さ÷タイヤの幅)×100」
といった計算式で割り出すことができます。そのため、例えば、CBR650Rの後輪用タイヤは、高さ99mm(180mm×0.55)となることが、この数値で分かるのです。
【構造表記】
構造表記により、装着するタイヤがラジアル構造なのか、バイアス構造なのかが分かります。ラジアルタイヤの場合は「R」か「ZR」、バイアスタイヤは「ー」で表記されます。
また、ラジアルタイヤの場合、最高速度が270km/hを超えるタイヤにはZRを表記することになっています。つまり、高い速度を出すことのできる高性能バイク用タイヤという意味ですね。
なお、こうしたタイヤの性能を現す表記には、後述する荷重指数や速度記号にも一定のきまりがあります。そして、これらを見るだけで、自分のバイクがどんなポテンシャルを持つのかの参考になりますし、また、その性能に耐えられるだけのタイヤであるのがか分かるのです。
【リム径】
タイヤに適合するホイールのリム径のことで、タイヤの内径ともいえます。メトリック表示の数字は、基本的にミリメートル表記ですが、リム径に関してはインチ表示となっています。
上の例では、すべて17インチとなりますが、例えば、16インチのホイールを装着していれば数字は「16」、19インチのホイールであれば「19」といった表記になります。
【モーターサイクル用表記】
リム径の後ろにある「M/C」は、13インチ以上のタイヤに付いていて、モーターサイクル用という意味です。4輪の乗用車用タイヤとの混同を防ぐ目的で付けられています。
タイヤが受け止められる荷重や最高速度も分かる
さらに、タイヤサイズには、「荷重指数」+「速度表記」 といったタイヤの性能などを示す情報も入っています。
荷重指数は、規定の使用条件で、タイヤが受け止めることのできる最大荷重のこと。ロードインデックスともいいます。また、速度表記は、規定の使用条件で、そのタイヤが走行できる最高速度を示す記号です。
これらの記号は、タイヤメーカーのホームページなどを見れば、実際にどんな数値になるのかが分かります。
例えば、一番上にあるCBR650Rの後輪用は「(73W)」なので、荷重指数365kg、最高速度は270km/h以上。
真ん中のCL250の後輪用は「69H」なので、荷重指数325kg、最高速度は210km/h。
一番下のXSR125の後輪用は「66S」なので、荷重指数300kg、最高速度は180km/h。
このように、これら記号により、装着するバイクとタイヤそれぞれが、だいたいどんな性能を持っているのかが分かるようになっているのです。
ちなみに、CBR650R後輪用タイヤのように、数値や記号が( )でくくられている場合。これは、前述したラジアル構造表記の「ZR」と同様、最高速度が270km/hを超えるタイヤであることを意味しています。
もちろん、公道では、こんな速度は出せませんが、タイヤの性能的には「高速レンジにも十分に対応していますよ」という証となるのです。
クルーザー系などのタイヤにある「B」の意味は?
ほかにも、例えば、ホンダ「レブル1100」のようなクルーザー系モデルなどのタイヤには、構造表記に「B」という記号が付いているものもあります。
これは、タイヤに「ベルテッドバイアス構造」を採用していることを意味するものです。この構造は、バイアス構造のタイヤをベルトで補強したもので、トレッド部の剛性を高め、より重量車に適した特徴を持ちます。そのため、車体の重いクルーザー系車両用のタイヤに多く採用されることの多いタイヤなのです。
90年代前半以前のタイヤにはインチ表示もある
最近のタイヤではあまり見なくなりましたが、1990年代前半以前に設計されたタイヤなどには、サイズをインチ表示にしているものもあります。
主にバイアス構造の小型サイズが多いのですが、現在もインチ表示のタイヤが残っている場合もあるので、主な意味を紹介しましょう。
「タイヤ幅」「リム径(インチ)」「荷重指数」「速度記号」といった順番で表記されていて、「タイヤ幅」「リム径(インチ)」の間にはバイアスを示す「ー」が入っているのが一般的です。
また、インチ表示のタイヤの中には、荷重指数、速度指数の代わりにプライレーティング表示のものもあります。プライレーティングとは、荷重指数、速度指数と同様に耐荷重強度を現す記号のことです。
「プライ」とは、タイヤのボディを構成するコードの層のこと。2輪車用タイヤではナイロン、ポリエステルといった有機繊維が使われることが多いといいます。
そして、プライレーティングは、それを何枚重ねた強度を有しているかを意味する記号。上の例では「4PR」となっていますが、この4という数字が「5」や「6」と大きくなるほど、負荷能力が高くなります。
このように、タイヤのサイズ表記は、愛車の装着サイズだけでなく、耐荷重など多様な意味が隠されているのです。特に、前後2輪のみが地面に接するバイクでは、タイヤの役割はかなり重要なだけに、サイズの意味もしっかりと知っておくことをおすすめします。
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/parts-gears/405899/
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