昔はセダン以外に考えられなかったが、今では多くの車種に派生した超高級車。これからどのように発展していくのだろうか。現在、日本で購入可能な世界各国の超高級車を見ながら、その未来の姿について考えてみよう。
※本稿は2024年4月のものです
文/ベストカー編集部、写真/TOYOTA、LEXUS、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年5月10日号
■「高級車」の定義とは
何をもって「高級車」と定義するかに関しては、大いに論議を呼ぶ議題となろうが、ここでは1500万~2000万円級の価格で、主に後席の乗員を優先したクルマと捉えることとする。
その観点で見ると、日本メーカーではトヨタにのみ存在、主流は輸入車となる。しかしセンチュリーが2500万円で、ベンテイガやアストンDBXと「同価格帯」というのは凄いことだ。
■トヨタ センチュリー(セダン・2008万円)
●センチュリー(セダン)主要諸元
・全長:5335mm
・全幅:1930mm
・全高:1505mm
・ホイールベース:3090mm
・車両重量:2370kg
・エンジン:V型8気筒DOHCハイブリッド
・総排気量:4968cc
・最高出力:381ps/6200rpm
・最大トルク:52.0kgm/4000rpm
・トランスミッション:電気式無段変速機
・モーター出力/トルク:224ps/30.6kgm
・WLTCモード燃費:12.4km/L
・Fサスペンション:マルチリンク
・Rサスペンション:マルチリンク
・タイヤサイズ:225/55R18
■トヨタ センチュリー(2500万円)
●センチュリー 主要諸元
・全長:5205mm
・全幅:1990mm
・全高:1805mm
・ホイールベース:2950mm
・車両重量:2570kg
・エンジン:V型6気筒DOHC PHEV
・総排気量:3456cc
・最高出力:262ps/6000rpm
・最大トルク:34.2kgm/4600rpm
・トランスミッション:電気式無段変速機
・モーター出力/トルク:F=182ps/27.5kgm R=109ps/17.2kgm
・WLTCモード燃費:14.2km/L
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:マルチリンク
・タイヤサイズ:255/55R20
■レクサス LS500 エグゼクティブ(1564万円)
●レクサス LS500 エグゼクティブ 主要諸元
・全長:5235mm
・全幅:1900mm
・全高:1450mm
・ホイールベース:3125mm
・車両重量:2280kg
・エンジン:V型6気筒DOHCハイブリッド
・総排気量:3456cc
・最高出力:299ps/6600rpm
・最大トルク:36.3kgm/5100rpm
・トランスミッション:マルチステージハイブリッド
・モーター出力/トルク:180ps/30.6kgm
・WLTCモード燃費:13.6km/L
・Fサスペンション:マルチリンク
・Rサスペンション:マルチリンク
・タイヤサイズ:245/50R19
■ベントレー ベンテイガ(2505万8000円)
VWグループ共通のMLB Evoプラットフォームをベースに開発。最廉価モデルは2505万8000円で、550ps、770NmのV8、4Lツインターボを搭載。
■ロールスロイス カリナン(4258万円)
ロールスロイス初のSUVがカリナン。全長5340mm、全幅2000mm、全高1835mmでホイールベースは3295mm。BMW製6.7L、V12ツインターボは571ps/850Nm。
■アストンマーティン DBX(2590万円)
アストンマーティン初のSUV。全長5039mm、全幅1998mm、全高1680mmでホイールベースは3060mm。エンジンは550ps、71.4kgmを発揮するV8、4Lツインターボ。
■ロールスロイス ファントム(6050万円)
8代目となるファントムはBMWグループによる開発。3820mmのホイールベースで全長6085mm、全幅1990mm、全高1665mmの車体。その存在価値は不変だ。
■メルセデスベンツ マイバッハS580(3140万円)
メルセデスベンツのさらに上級仕様として設定されるマイバッハ。2021年、SクラスのFMCを受けて新型に切り替わった。スムーズな4L+V8+ISGを搭載する。
■ベントレー フライングスパー(2598万2000円)
超高級車ではあるがドライバーズカーとしての性格も持ち合わせるのがフライングスパー。VWの6L・W12エンジンを搭載する。後席でも前席でも楽しい一台。
■超高級車は今後どう進化していく?
超高級車の世界はある意味「異世界」だ。レクサス LMなどは完全にショーファーカーで、オーナーは後席に座ることが前提。自ら運転席に座ることはない、というパッケージングだ。セダン型センチュリーやロールスロイス ファントムなどもショーファーカーの代表車だ。
一方でロールスロイスでもカリナンはオーナーが自らハンドルを握ることも考慮されたVIPカーだ。新型センチュリーも同様だ。今後の超高級車はEV化とともに、オーナードリブンとショーファーカーに二極化されていくだろう。
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