ホンダアクセスの理念の一つである”実効空力”を徹底的に追及したホンダ純正のパーツブランド「モデューロ」。今回は、初めて実効空力を掲げたスポーツ モデューロ シビック タイプR(FD2)をホンダアクセスがレストアしたとのことだったので、試乗させていただいたが、思った以上に良すぎた…

文:ベストカー編集部/画像:ベストカー編集部

■モデューロの原点へ

スポーツ モデューロ シビック タイプR(FD2)。ホンダアクセス側が部品を中古で買い戻しレストアした車両

 群馬サイクルスポーツセンターで一風変わった試乗会が行われた。趣旨としてはモデューロの理念である”実効空力”の体験。試乗車種は様々であったが、ここではスポーツ モデューロ シビック タイプR(FD2)の試乗し感じたことをメインに綴っていく。

 パーツブランド「モデューロ」ができてから今年で30周年。その記念としてホンダアクセス側がサプライズ車両を試乗会で用意してくださった。もうお分かりであろうが、スポーツ モデューロ シビック タイプR(FD2)である。

 エアロからサスペンションまですべてモデューロのパーツがついている。十数年前の部品ということもあり、一式揃えるのは苦労したようで、サスペンションに至ってはレストアも施したというのだから驚きだ。この車両に対する熱い思いが伝わってくる。

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■しなやかな走りはまるでFR! 

現行型でも見ないエンジンのかけ方。この当時でも珍しいものであったそうだ

 外から見ていても実際に乗ってみないとわからないのがクルマというもの。ということでいざ試乗。バケットシートに座り、クラッチを踏んでキーを回していざ始動! と思ったのだがなぜかエンジンがかからない。何回やってもかからない。

 え、壊した? レストア車両壊しちゃったのか俺!? と内心激焦りしながらも冷静にハンドル周りに目をやる。すると鍵穴の右横にエンジンスタートのボタンがあるではないか。なーんだ、こいつ押せばいいのねってな感じでキーを回してボタンを押す。

 すると無事セルが回りエンジンが始動し、とりあえず安心。クラッチを切り出発。このクルマは公道での試乗がメインであったため、速度はそこまで出せなかったが、走っている中で路面との圧倒的な設置感が伝わってきて、安心感が凄い。

 さらに足は純正に比べ柔らかくセッティングされており、しなやかなコーナリングができ自分の思い通りにハンドリング操作ができる。

 FRのようなしなやかさがありながら、実効空力を追い求めたモデューロ製エアロパーツによるしっかりとした路面との設置感もある。これほどまでにいいとこどりに成功している車両は数えるほどしかないのでは? と思うほどだ。

 公道ということもありVTECがカムに乗るまで回すことができなかったが、それでもとても楽しいクルマに変貌していた。

 羊の皮を着た狼なんて言われるシビック タイプR(FD2)だけど、モデューロで包まれたこの車体は、もはや狼ってことを隠す気ないね。

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