新型KLX230をベースに、倒立フォーク+前後17インチホイールでスーパーモタードに仕立てたKLX230SMの日本仕様が、ついに正式発表。国内4メーカー唯一の250モタードとして注目だ。撮り下ろしカットを交えて解説しよう。

  文/沼尾宏明  

カワサキとしてはD-トラッカーX以来、久々の国産250モタードだ

 オフ車をベースにオンロード向けの足まわりを与え、快活な走りを実現するスーパーモタード。現在、国内メーカーから日本向けにモタードはラインナップされていないが、スズキからDRZ4SMが登場する見込みだ。これに続いて、カワサキが新型KLX230SMの国内仕様を正式発表した。

 KLX230をベースに倒立フォーク+前後17インチホイールなどを与えたKLX230SMは、2022年10月に発売され即完売。2025年型として兄弟車であるKLX230/Sと同様のモデルチェンジを受け、2025年1月13日に61万6000円で発売される(KLX230/S/シェルパは別記事を参照)。

 カワサキとしては1998年のD-トラッカーに始まり、後継のD-トラッカーXが2016年に絶版となって以来の250モタード。国内ラインナップとしてはヤマハのWR250Xが2017年に生産終了して以来の新作となる。2000年代初頭にモタードはブームになったが、DRZ4SMと合わせ、久々にモタード人気が盛り上がりそうだ。

 開発キーワードは「パワフル、軽量、ハンドリング」。232cc空冷単気筒はKLX230と同様に低中速トルクを強化し、前後サスのセッティングなどを見直している。

 

 

 

 

 

 

     

独自の倒立フォーク+前後17インチに大径ディスクを組み合わせる

 エンジンとフレームは新型KLX230/S/シェルパと共通だが、足まわりは別物だ。他モデルがフロント21、リヤ18インチホイールなのに対し、SMは前後17インチのロードタイヤを履き、フロントディスク径をφ265mmから300mmに大径化。Sに搭載されるABS解除機能はSMでは非装備だ。さらにKLX230/S/シェルパはアルミスイングアームだが、SMではスチール製としている。

 サスはオンロード向けに最適化し、正立フォークのKLX230/S/に対して倒立フォークを採用。ホイールトラベルは180mm(STD240mm、S200mm)で、特に制動時の安定性を向上させている。

 リンク式のニューユニトラックリヤサスは、新たにショックアブソーバのセッティングを変更し、よりスムーズな作動を実現。ホイールトラベルはSと同じ223mm(STD250mm)だ。

 キャスター/トレールは24.9度/77mmで、クイックなハンドリングを狙う。ちなみにSTDは25.2度/101mm、Sとシェルパは24.6度/96mmだ。車重はKLX230/Sから+3kgの137kgだが、十分軽い。

 

 

デザインはオン向けに最適化、足着き性はシリーズ随一だ

 外観に関しては各部をブラックアウトすることでストリートに映えるデザインとしているのが特徴だ。フロントフェンダーやステップもオンロード向けとしている。

 他モデルと同様、シートレールを新設計し、従来より位置を下げることでシート高を低くしつつウレタン量を増加。足着き性と快適性がアップしている。STDはシート高が880mm、シート高を抑えたSとシェルパが845mnmなのに対し、SMは840mmと最も低いのが嬉しい。

 

 

 

KLX230SM 主要諸元(2025年型 国内仕様)

・全長×全幅×全高:2035 × 845 × 125 
・ホイールベース:1365mm
・シート高:840mm
・車重:137kg
・エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 233cc
・最高出力:18PS/8000rpm
・最大トルク:1.9kgm/6400rpm
・燃料タンク容量:7.6L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70-17、R=120/70-17

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/419405/

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