毎回ラリージャパンを盛り上げてくれるD-SPORT Racingが、今年は770㏄エンジンを搭載し、見事なブリスターフェンダーをまとったデカコペンで参戦するという。シェイクダウンを取材した!!!!

文/写真:ベストカーWeb編集部

■ダイハツの本気が伝わる空力と冷却にこだわったデザイン

左右で80㎜ワイドになり、ぐっと構えたようなフォルムになった

 後付けを感じさせない美しいブリスターフェンダーに見とれてしまった。左右40mmずつワイドになったフォルムはコペンGR SPORT“エボ”といってもいい完成度だ。それもそのはず、コペンGR SPORTをてがけたダイハツデザイン部の本多秀有さん自らデザインしたもの。カッコよくなっただけではなく、空力と冷却性にもこだわっている。

 フェンダーに付く小さなフィンについて本多さんに質問すると「これがあるとないとでは空力がまるで違います。またフェンダー後部から空気が逃がすことで冷却効果も上がっています」とのこと。

 さらに「小さなクルマほど軽量化は難しく、空力を上げたほうが燃費には効果的なんです」と市販車にも空力が重要なことも教えてくれた。

770㏄にボアアップしたエンジンは最高出力140psほどと強烈

 シェイクダウンが行われた富士スピードウェイでもその効果はバツグン。エンジンを770ccにボアアップし、インタークーラーが大型化されていることもあって、富士スピードウェイのストレートではなんと180km/h近く出たという。コンピューターを変更すれば200km/hもいけそうだ。

 ドライバーを務める相原泰祐氏に聞くと、「ワイドトレッドのおかげでトラクションが効いて、100Rをこんなに気持ちよく走れるとは思いませんでした。空力のよさでストレートもしっかり走ってくれました」と満足そう。

 聞けばボアアップしたエンジンスペックは140ps、19.0kgmというから2L NA級のスペック。レブはノーマルと同じ8000rpmというが、明らかにノーマルのコペンとは違う太いサウンドに思わず「おっ!」となる。

 ちなみに車重は900kgちょいとノーマルが850kgだから以外に軽い。その秘密はカーボンルーフ。ルーフをカーボンにして軽量化と低重心化を図っているのだ。

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■さらにワイドトレッドとブリスターフェンダーを深掘り

リアビューではよりブリスターフェンダーが目立つ。カーボンルーフとなりリアガラスもアクリル製になった

 左右40mmずつワイドになったワイドトレッドを可能にしたのはダイハツがマレーシアで販売するベザやインドネシアで販売するシグラというコンパクトカーのパーツを上手に組み合わせているから。パワーアップに対応してドライブシャフトも同様に変更している。

 そういった意味でダイハツらしい小回りを利かせながらデカコペンは作られているのだ。

 そして美しいフェンダーの秘密はコペンのD‐Frame構造にある。コペンはボディとフレームを独立させているおかげでボディパネルを変えることでローブとセロと2タイプをラインナップしている。デカコペンもまったく新しい前後フェンダーを装着しているが、一体感があるのはD‐Frame構造のおかげだ。

 ゆくゆくはツール・ド・コルス(フランス)のような欧州の本格ターマックラリーにも出場してみたいとドライバーの相原さんは話す。それもいいけれど、こいつをなんとか市販してくれないか!? と頼んでみたが、「とにかく話題が盛り上がり、ダイハツが元気なことをアピールしたいです」とはぐらかされてしまったが、反響次第というところか。ミライースターボといいデカコペンといい、最近のダイハツは面白いじゃないか!

 本日始まるラリージャパンでいったいどんな走りを見せてくれるのか? ワクワクしながらカーナンバー55を応援しよう!

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