遂に出たトヨタ「ランドクルーザー250」は、骨格的にも共通項の多い300系との違いは何なのだろうか。過去記事で最大の違いはコーナリングの応答性や首都高や高速道路で出くわす中高速域のコーナーでの操舵と旋回の体感的ズレの小ささと書いたが、もっと細かく比べてみようではないか。てことで「ランドクルーザー250」と「ランドクルーザー300」を徹底比較!!
※本稿は2024年10月のものです
文:片岡英明、渡辺陽一郎/写真:奥隅圭之、トヨタ
初出:『ベストカー』2024年11月10日号
■片岡英明はこうジャッジする
ランドクルーザー250は、兄貴分のランクル300と同じGA-Fプラットフォームを採用し、ランクル初となる電動パワーステアリングも採用した。上級のZXはフロントにSDMを装備して駆動力を一段と高めている。電子制御デバイスも数多く搭載した。
ランクル250のパワーユニットはプラドから譲り受けた4気筒だ。ランクル300は上質なV型6気筒ターボを搭載する。250もきめ細かい改良を施し、ディーゼルターボは8速ATも手に入れたが、6気筒に10速ATのランクル300はその上を行く。スムーズさや静粛性の高さなど、走りの上質感は一歩上だ。
ただし、重量バランスのいいランクル250は舗装路で軽快なハンドリングを披露する。オフロードでも安心感のある走りを見せるが、ランクル300はその上をいく。
特にE-KDSS装備のGRスポーツは、ストロークも充分の足と相まって非凡な実力の持ち主。価格もそれほど違わないから、買い得感を含め、ランクル300に引かれる。
●トヨタ ランドクルーザー250……軽快な走りでオンロードも快適に走る
●トヨタ ランドクルーザー300……3.5L・V6ガソリンエンジンの上質感は魅力
記事リンク
前の記事ついに[バブル]崩壊か!? 中古価格が暴落したら買いたい現行クロカン3選
次の記事買えなくなるってマジか [ランクル70]は本当になくなるの? 噂の真相を探ってみた
■渡辺陽一郎はこうジャッジする
ランドクルーザープラドは、ランドクルーザー300に比べてボディが小さかった。しかしランドクルーザー250は300とほぼ同じだ。全幅とホイールベースは等しく、300の全長が60mm長い程度の違いになる。プラットフォームなども共通だから、機能的には同じクルマといえるが、メカニズムには違いもある。
特に異なるのがエンジンだ。300のガソリンはV型6気筒3.5Lツインターボで最高出力は415ps、最大トルクは66.3kgmに達する。250のガソリンは直列4気筒2.7Lでターボは装着されず、163ps/25.1kgmに留まる。ディーゼルも300はV6の3.3Lツインターボで、250は2.8Lターボだ。
価格はディーゼルのZX同士で比べると、250が735万円で300は760万円。250ZXには、300がオプションにするマルチテレインモニターなど一部の装備が標準装着されるが、そこを差し引いてもエンジンの違いを考えると300が買い得だ。
●トヨタ ランドクルーザー250……意外と大きな車体で取り回しは大変だ
●トヨタ ランドクルーザー300……エンジンや内装の上質感は250を凌駕する
* * *
●トヨタ ランドクルーザー250 ZX
・WLTCモード燃費:11.0km/L
・価格:735万円
・全長×全幅×全高:4925×1980×1935mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:2410kg
・エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・総排気量:2754cc
・最高出力:204ps/3000-3400rpm
・最大トルク:51.0kgm/1600-2800rpm
・トランスミッション:8速AT
・最低地上高:225mm
・最小回転半径:6.0m
・フロントサスペンション:ダブルウイッシュボーン
・リアサスペンション:トレーリングリンク車軸式
・タイヤサイズ:265/60R20
●トヨタ ランドクルーザー300 ZX(ガソリン)
・WLTCモード燃費:7.9km/L
・価格:730万円
・全長×全幅×全高:4985×1980×1925mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:2500kg
・エンジン:V型6気筒DOHCターボ
・総排気量:3444cc
・最高出力:415ps/5200rpm
・最大トルク:66.3kgm/2000-3600rpm
・トランスミッション:10速AT
・最低地上高:225mm
・最小回転半径:5.9m
・フロントサスペンション:ダブルウイッシュボーン
・リアサスペンション:トレーリングリンク車軸式
・タイヤサイズ:265/55R20
記事リンク
前の記事ついに[バブル]崩壊か!? 中古価格が暴落したら買いたい現行クロカン3選
次の記事買えなくなるってマジか [ランクル70]は本当になくなるの? 噂の真相を探ってみた
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。