“クルマを超えて、クルマを愉しむ Classic Meets Modern and Future”をテーマにした「オートモビルカウンシル2024」が4月13～14日の2日間に渡り、千葉市の幕張メッセホール9・10で開催された。9回目を迎えた今年は、自動車メーカー・インポーター8社をはじめ過去最多の113社が出展。会期2日間の来場者数は過去最高の39, 807名が訪れ、大盛況となった。

ヘリテージカーと新型車の展示販売がメインのイベントだが、旧車向けのサービスをアピールしていた出展社もあり、カーディテイリング関連商材をはじめ注目を集めていた商材をピックアップする。

市販されていない、プロ用のプラスチック素材「復元剤」

各種洗浄剤やコート剤などの製造販売を行う創業70年の総合ケミカルメーカーリスロン株式会社が、市販されていないプロ用のプラスチック素材復元剤「ブラックポリマー」をアピールしていた。

同製品は、経年劣化などで白化・退色した、トップカウルやサイドモールなど黒系のプラスチック部品に塗布することで黒色を復元できるところが特徴。ポリエチレンを特殊製法で液体状態に安定させた非引火性物質のプラスチック溶液で、施工時の伸びが良く、炎天下での高熱にも耐え、洗車しても簡単に落ちないという。このほかブースでは、ヘッドライト黄ばみ除去剤や鉄粉除去剤、ウインドウの水垢・ウロコ除去剤なども出品されていた。

路線バスや医療施設で採用「抗ウイルス・抗菌コーティング剤」

クリーンエネルギーLPガスプラントの安全保守や、健康環境関連製品を販売する株式会社コスモ技研が、無光触媒の抗菌・抗ウイルス・消臭剤「SKYBE-783」を出品していた。

同製品は、光がない環境で施工でき、抗ウイルス・抗菌・有害物質分解・防臭効果があり、一度の吹き付け施工で24時間抗菌を維持できるところが特徴。東京都交通局をはじめとする公共交通機関や、病院・医療施設、学校、飲食店など多くの場所で採用されているという。またブースでは目のストレッチ器具「WOC-i PRO」も訴求。40年以上眼科の約半数で利用され続けている医療機器を一般向けに改良したもので、1回3分間、器具をのぞくだけで疲れた目の筋肉（毛様体筋）をストレッチできる。長距離ドライブなどによる目の疲労回復に役立つほか、老眼や近視の進行を抑制する働きもあるという。

DIYで手軽に内装を簡易ケアできる「レザー補修キット」

大阪・堺市で老舗のカーディテイリング専門店として知られる有限会社カーメイクアートプロが、本革巻きステアリングやレザーシートの簡易補修キットをアピールしていた。

レザーの本場であるドイツ・レザーゼントラム社のレザーリペアシステム「COLOURLOCK（カラーロック）」のレザー補修キットを出品。付属スポンジに専用クリームを塗布してレザーをなでるようにすべらせると、擦れて劣化した本革巻きステアリングやレザーシートの簡易補修を行える。カーメイクアートプロは同システムの輸入総代理店であり、ブースではレザーシートの色褪せやリペアのデモンストレーションなども行われ、来場者たちの注目を集めていた。

米国プレミアム・カーケアブランドの金属パーツ「研磨剤」

オートバイ用パーツの輸出・販売や海外カーケアブランド製品の販売などを行う株式会社ヤザワが、全米をはじめグローバル展開するプレミアム・カーケアブランド「マザーズ」の輸入総代理店として各種製品を出展していた。

同社スタッフによれば、ステンレスやアルミなどの金属パーツを研磨する「マグ＆アルミポリッシュ5oz」が長年ニーズが高い人気アイテムで、“マグポリ”の愛称で親しまれており、スチールや真鍮、シルバーなどあらゆる金属を鏡面のように仕上げられる点が魅力だと話していた。このほかブースには、洗車シャンプーやスプレーワックス、コーティング剤など数多くの「マザーズ」製品が取り揃えられていた。

旧車をエンジン火災から守る「自動消化システム」

カーディテイリング分野ではないが、フォルクスワーゲン車の販売・メンテナンス専門店の株式会社GAKUYAが出品していた、ヨーロッパ生まれの自動消火システム「ブレイズカット」に注目が集まっていたので紹介したい。

同システムは、専用の消火剤が封印された特殊な感熱式チューブをエンジンルーム内に設置し、エンジンルーム内で火災が発生すると、チューブが破裂して消化剤が噴射し、自動消化する仕組みになっている。電源や消化ボンベも不要で、簡単にエンジンルームやボンネットに設置でき、オゾン層破壊物質を含まない消火剤を使用しているという。感熱式チューブは白と黒の2色を用意。同社スタッフによれば、エンジンルーム内の美観を気にするカーオーナーは黒色の感熱式チューブを選ぶ傾向が高く、近年は旧車のエンジンルーム火災が増えていることもあり、購入が増えていると話していた。

今回の「オートモビルカウンシル2024」では、経年劣化した旧車向けのカーケアサービスや商材を出品している出展者は少数だったが、真剣な面持ちで説明を聞いている来場者たちが多く、カーディテイリング関連サービスのニーズの高さを感じた。旧車に限らず新型車においても、洗車やコーティングなどのサービスは今後も継続的に需要があり、幅広い自動車アフターマーケット事業者がビジネスとして注力する価値がある分野であることを実感する取材となった。

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