安全・安心が叫ばれる昨今だが、クルマの魅力といえば走りの良さにアリという人はまだまだ多い。そんな高性能なスポーツカーにはレーシングを意味する“R”の称号を与えられることが多いが……オジさんたちにとって“R”の称号はやっぱり特別なんだよなぁ。

文/FK、写真/BMW Japan、ホンダ、マツダ

■価格高騰の一途を辿る中古車市場でも狙い目の“R”は存在する! 

 新車だけでなく、中古車の価格も高騰の一途を辿っている昨今。

 特に、一時代を築いたスポーツカーとなると当時の新車価格よりも全然高い……なんてことも決して珍しくないのが実情だ。

 スポーツカー好きにとっては新車も高ければ中古車も高い、まさに八方塞の状況にあるわけだが、意外や意外!? 

 探してみると、“R”の称号を冠した高性能なスポーツカーでも100万円台で買える個体は間違いなく存在しているのだ。

 そこで、ここでは少々古めのモデルではあるものの若かりし頃に誰もが憧れたであろう“R”の称号を冠した狙い目の4モデルを紹介。

 とはいえ、一寸先は闇なのが中古車市場。これらのモデルもいつ値上がりするかわからないだけに、欲しいと思った人はそれが買い時かもよ?

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■「ホンダ・シビック タイプR」が欲しいならEP3型に狙い撃ち!

“Dangan(弾丸) Hot Hatch”をコンセプトに開発されたEP3型シビック タイプR。そのエクステリアは“ニュー・ブリットフォルム”をテーマに、エキサイティングなハッチバックスタイルが追求された

 ホンダの“タイプR”といえば、クルマ好きなら誰でも憧れるスポーツグレードの最高峰。NSX、インテグラなどにも設定されていたが、タイプRと聞いて思い浮かぶのはシビック……という人も決して少なくないだろう。

 そんなシビック タイプRは1997年8月に行われた6代目シビックのマイナーチェンジ時の新ラインナップとして追加されたのが歴史の始まり。

 リッター当たり116psを発生する1.6リッターVTECエンジン(最高出力185ps)を搭載した抜群の動力性能に加え、スパルタンなエクステリア&コクピットを採用。約200万円の価格設定もあって若者を中心に抜群の人気を博した。

 このような背景とともに、シビック タイプRの初代モデルということもあるのだろうか、現在の中古車市場では200万円超えの個体が大半でタマ数も非常に少ない。

 いっぽう、2001年10月に英国のHonda of the U.K. Manufacturingで生産された逆輸入車として登場した2代目のシビック タイプR(EP3型)は、タマ数こそ少ないながら現在の中古車市場では100万円代の個体も少なくなく、狙い目のタイプRといえる存在。

 2.0リッターに進化した最高出力215psのDOHC i-VTECエンジンに加え、徹底した吸・排気効率の向上やクロスレシオ6速MTの搭載などによって、スポーツ走行時の高い動的性能とともに一般路での爽快な走り味を両立した2代目。

 エアロフォルムバンパー、レカロ社製フロントバケットシート、MOMO本革巻3本スポークステアリングホイールなどの専用装備に加え、当時は斬新だったインパネ配置されたシフトノブによる変速操作も行いやすく、クルマを操る楽しさを存分に体感できるモデルだった。

 が、しかし……。人気面ではいまひとつということもあり、それが現在の中古車市場にも反映されている。

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■オジさんでも安心して乗れるセダンスタイルがうれしい「ホンダ・アコード ユーロR」

6代目アコードのユーロRは標準モデルより15mm低い車高、専用デザインの16インチアルミホイールや大型ロアスカート、専用エンブレムなどで走りを印象づける低重心イメージのエクステリアを実現

 ホンダにはタイプRのほかに、もうひとつ“R”の名を冠したモデルがある。そう、2000年6月に登場したアコードのユーロRだ。

 6代目アコードのマイナーチェンジでラインナップに追加されたアコード ユーロRは自然吸気エンジンでリッターあたり100ps、最高出力220psを発生する2.2リッターのDOHC VTECエンジンを搭載。

 ツインサイレンサーの採用などで吸排気効率の向上を図りつつ動力性能を大幅にアップさせるとともに、高回転域までパワフルなエンジンは専用ギアレシオの5MTとあいまって優れた加速性能とドライバーの意志に即応する心地よい走りを実現した。

 その後、2002年10月に発売された7代目アコードでもユーロRを設定。

 こちらも先代のDNAを受け継ぐ心地よい走りを追求したスポーツセダンであり、ホンダスピリットが息づくこだわりのディテールが人気を集めた。

 220psの最高出力を発生する2.0リッターのDOHC i-VTECエンジンと軽量コンパクトで高いレスポンス性能の誇る6MTが圧倒的な走行パフォーマンスを披露したユーロR。

 足回りもスプリング、スタビライザー、ブッシュ類をハードな設定にチューニングするだけでなく、ダンパーの減衰力も最適化がなされていた。

 また、フロントには左右連結のストラットタワーバーを採用するなど、乗り心地を犠牲にすることなくシャープな走りと高い走行安定性を両立。

 他にもスポーツテイスト満点の内外装を堪能できるのもユーロRオーナーだけに与えられた特権だった。

 そんなユーロRの中古車は100万円から300万円と価格帯は幅広いものの100万円台の個体も多く、シビック タイプRに比べればタマ数が多いことも特徴だ。

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■2000台しか生産されていない最後のロータリーエンジン搭載車「マツダ・RX-8 スピリットR」

 REとGENESISをかけ合わせたRENESIS(レネシス)と名付けられた新しいロータリーエンジンを搭載したRX-8が登場したのは2003年4月のこと。

 従来のペリフェラル排気ポート方式からサイド排気ポート方式に変更して出力・燃費・エミッションの改善を図ったRENESISは、フューエルインジェクターや点火プラグの改良などによって低燃費&高出力かつクリーンな排出ガスという三拍子揃った654cc×2ローターの新世代エンジンとして大きな注目を集めた。

 デビュー当時は最高出力250ps&最大トルク22.4kg・mのハイパワーユニットと、最高出力210ps&最大トルク22.0kg・mのスタンダードユニットの2種類を設定。

 スペックを見れば必要にして十分とも思える両ユニットではあったが、高回転型エンジンの宿命なのか、公道ではその性能を存分に発揮させることが難しく、現役時代の評価は決して高くはなかった。

 そんなことから不人気車といわれることも少なくないRX-8は2012年6月に生産終了を迎えたが、その発表とともにリリースされたのがRの名を冠したRX-8 スピリットRだった。

 販売計画台数1000台の“最後の特別仕様車”として登場したRX-8 スピリットRはType RSグレード(MT車)とType Eグレード(AT車)をベースとして専用シートや専用塗装アルミホイールなどを設定し、スピリットRの名に相応しいデザインを演出。

 その好調なセールスから、2012年4月には1000台の追加生産も発表されるほどだった。

 現在の中古車市場におけるRX-8 スピリットRの価格は、安い個体であれば150万円前後から。マツダ最後のロータリーエンジン搭載車という付加価値を考えると比較的リーズナブルであり、かつ魅力的な1台といえるだろう。

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■R32は「フォルクスワーゲン・ゴルフ」史上最強の性能を誇ったフラッグシップモデル

アルミニウムルックの採用で他のバージョンとはあきらかに異なる個性を放つフロントデザインが目を惹く2代目ゴルフR32

 “R”の名を冠したクルマは国産車だけではない。ここで紹介するゴルフR32も“R”の名を冠した1台として、ぜひとも紹介しておきたい。

 ゴルフR32が発売されたのは2002年1月のこと。

 フォルクスワーゲンブランド全体のイメージを代表するハイパフォーマンスかつ高品質なモデルの総称である R lineシリーズの第一弾として登場したR32は、独創的な2.8リッターのV型6気筒エンジンをベースに排気量を3.2リッターまで拡大したユニットを横置きに配置。

 ハルデックスカップリングを用いた4 MOTIONシステムを6MTと組み合わせるハイスペックを誇っていたが、100万円台で買える中古車として狙い目なのはゴルフシリーズとして5代目、R32としては2代目となるモデルだ。

 250 psにパワーアップした V6 エンジンに4輪駆動システムである4MOTIONを組み合わせ、4ドアモデルにはフォルクスワーゲンの革新的なトランスミッションである DSGを採用するなど、ゴルフ史上最強と銘打って2006年2月に発売された2代目のR32。

 エクステリアはアルミニウムルックのフロントグリルや専用の前後バンパー、青く塗装されたブレーキキャリパー、さらにはセンター出しのツインエキゾーストパイプなどで、ゴルフのなかでもR32が特別な存在であることを強く主張。

 また、足回りには18インチのアルミホイールとスポーツサスペンションを採用するとともに標準のゴルフより 20mmのローダウンを行い、大径の前後ベンチレーテッドディスクとあわせて高い次元の走りを実現。

 インテリアも夜間にブルー発光する指針を採用したメーター類や専用ロゴ付のステアリングホイール、レザーシート、アルミペダルクラスターなどによって、エンジンをかける前から熱い走りを予感させるものであった。

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