アウディ『TT』が四半世紀の歴史に幕を閉じた。最後の一台はハンガリーの工場から送り出され、TTシリーズは生産を終了する。時代を超えて愛され続けたデザインの名車との別れに、ファンから惜別の声が寄せられている。
1998年に登場したアウディTTは、四半世紀以上の歴史で累計66万2762台が生産され、そのうちの最後の車両はドイツ・インゴルシュタットのアウディ歴史車両コレクションに収蔵される予定だ。TTシリーズは「エンスージアストのための車」として設計され、初代モデルの革新性や美しいデザインは、自動車デザイン史におけるマイルストーンとされている。アウディは同時に『R8』の生産終了も発表しており、同ブランドの内燃機関を搭載するスポーツカーの時代に一区切りをつけた。
アウディTTは1995年、フランクフルトモーターショーで「TTコンセプト」として初めて披露。そのシンプルで優雅なデザインは高く評価され、1998年に初代TTが発売されると、その斬新なフォルムとデザインの一貫性が話題を呼んだ。2006年に登場した第2世代では、マグネティックライドやディーゼルエンジンを搭載するなど、技術革新を遂げた。2014年には第3世代が登場し、バーチャルコックピットやOLED照明を初採用するなど、デジタル化を牽引した。2023年には25周年記念モデル「TT RS アイコニックエディション」が発売され、TTの歴史を彩った。
現行アウディTT(左)と初代TTのコンセプトカー3世代にわたり多くのファンから愛されたアウディ「TT」の終売にX(旧Twitter)では、「あのTTが生産終了とは」「小さい頃からの憧れだから寂しい」「アウディくん R8もTTも生産終了するんか」など突然の発表にSNSでは驚きや悲しみの声であふれていた。また、「TTの名の通りてぇてぇ存在でした」「アウディは何処へ行くのか…」という声も。
「これからも大事に乗っていこう」「今の車、乗り続けるかなぁ」など、現オーナーの貴重なコメントも見受けられた。
アウディTTは、その革新的なデザインと技術で四半世紀にわたり多くのファンを魅了してきた。初代から第3世代まで、進化を続けながらも一貫した美しさを保ち、自動車デザインの歴史に名を刻んだ。内燃機関を搭載するスポーツカーを象徴する存在の終焉は惜しまれるが、SNSで寄せられたファンの声からも、TTが多くの人々に愛され続けたことが伝わる。これからもTTは、ファンやコレクターの心の中で生き続けるに違いない。
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