愛車のサウンドシステムのアップグレードに関心を抱くドライバーに向けて、それを実行に移そうとするときに役立つ「製品選択のコツ」を全方位的に解説している当連載。前回からは、「メインユニット」の選び方に関する説明を開始した。

◆交換しづらい車種は増加傾向にありつつも、市販品へのニーズは今も堅調!

さて今回は、メインユニット市場の全体的なトレンドを分析していく。昨今はメインユニットを交換しづらい車種が増えてはいるが、交換できるのであれば市販品を使いたいと考えるドライバーは多くいる。または新車を買うときに敢えて純正品を選ばずに「オーディオレス」が選択されることも少なくない。その場合には、最初から市販品が取り付けられることとなる。

というわけで市販のメインユニットに対する需要は今も堅調で、それを受けて各社ともさまざまな新機種を市場に投入し続けている。

なおメインユニットにはタイプ違いが大きく3つある。「AV一体型ナビ」、「ディスプレイオーディオ」、「モニターレスメインユニット」、これらだ。

これらの中で選ばれることがもっとも多いのは、AV一体型ナビだ。昨今はスマホのナビアプリが使われるケースも増えてはいるが、「ナビは車載専用機が良い」と考えるドライバーもまだまだ多い。AV一体型ナビはそういった層に選ばれている。

市販「ディスプレイオーディオ」の一例(アルパイン・ビッグDA)。

◆市販AV一体型ナビは選択肢が多く、コスパも高い!

なお市販のAV一体型ナビは純正品と比べて選択肢が多く、コスパが高い場合も多い。またナビアプリと比べた場合には、地図が見やすく自車位置精度も正確だ。

地図については車内で見やすい配色やランドマーク等の分かりやすさ、交差点のリアルさ等々が工夫されている。また、車速センサーを取れることや傾きの検知、複数の衛星の活用等々で自車位置精度がおしなべて高い。

そして最新のAV一体型ナビは起動や操作レスポンスが速く、画質も高い。またスマホ連携力も磨かれているのでエンタメ面でも高性能だ。

その一方で、「ナビは要らない」、または「ナビはアプリで良い」と考えるドライバーも増えている。ディスプレイオーディオはそういった層に向けて用意されている。なおこれはAV一体型ナビからナビ機能が省かれたものだが、実際はさらに地デジチューナーも省かれている場合がほとんどだ。価格を抑制するためだ。

市販「モニターレスメインユニット」の一例(ケンウッド・DPX-U760BT)。

◆ディスプレイオーディオなら、車内でスマホアプリを便利に使い倒せる!

しかしそのかわり、最新機種のほとんどがApple CarPlayとandroidautoに対応している。その点では価格は上がってしまうわけだが、そうであるとスマホアプリを車内で便利に使えるようになるからだ。

例えばまずは、ナビアプリが便利に使える。地図を車載機のモニターに映し出せるので、まるでナビが内蔵されているかのような使い心地を味わえる。さらには音楽アプリを使う場合にも、アプリの操作のほぼすべてを車載機のモニター上にて行える。

そして「車載専用カーナビは要らない」、さらには「メインユニットは廉価な方が良い」と考える層も一定数いて、そういった層に向けてモニターレスメインユニットが用意されている。

とはいえディスプレイオーディオの普及によりこれが選ばれるケースは減りつつある。なので以前と比べて新製品の登場スパンは長めだが、どっこいこれらも廃れてはいない。スマホ連携力の高いコスパに優れたモデルが、いくつかのメーカーからリリースされている。

今回は以上だ。次回からは各タイプごとの市場トレンドを深堀りしていく。お楽しみに。

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