ナビやらオーディオやら、最近のクルマは操作が全部タッチパネルというクルマが多いが、それに抗い続けているのがマツダだ。マツダ2から最新のCX-80まで、操作の基本はセンターコンソールのダイアルといくつかの物理ボタンで行う。でもこいつの安心感がすごいのよ!

文:ベストカーWeb編集部/写真:マツダ、ベストカーWeb編集部

■タッチパネル操作は意外と使いにくい!?

マツダ3のダイアルスイッチ。マツダはこのインターフェイスにこだわり続けている

 久しぶりにマツダCX-5で長距離を走る機会があった。しっかり決まるドラポジやらリニアなブレーキフィールなど、「運転」の基本性能がしっかりしていて感激したのだが、カーナビやエアコンの操作系にもこだわりを感じた。それが物理式のインターフェースだ。

 今どきクルマの操作系は、スマホのようなタッチパネルが当たり前。車内が今っぽくなるというデザイン的な理由もあって引っ張りだこだが、これが意外と使いにくい場合がある。

 スマホは片手で持って至近距離で操作できるが、クルマのタッチパネルはある程度腕を伸ばして操作せざるを得ない。そうなると指先が不安定になって、狙ったアイコンをタップするのが難しいのだ。おのずと画面を注視しがちで、ややもすると脇見運転ともなりかねない。

 対するマツダはどうか。デミオからCX-80に至るまで、ナビやオーディオの操作は、すべてシフトレバー手前にあるダイアル(回転のほか左右移動やプッシュ操作も受け付ける)と物理ボタンで操作する。

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■入力に対する反応がしっかりある!

マツダはドラポジやペダルレイアウトといった運転の本質を重視している

 この操作系の元祖は、2001年に登場したBMWの4代目7シリーズだと思うが、そいつを改良していまでも守り続けているのだ。

 今回の長距離ドライブでも、その確実な操作感が安心感につながった。普通に座った姿勢で左手を落としたところにダイアルボタンがあるので、ダッシュボードに腕を伸ばす必要がない。ちなみにCX-5はエアコンの温度設定もダイアル式なのだが、これまた手慣れた操作で心地よかった。

 ダイアル式操作系はメニューが階層化せざるを得ず、目的の操作にたどり着くのが面倒というデメリットもある。今回のCX-5でも目的地の入力やラジオの選曲が煩雑と感じるシーンもあったが、これらはマツダ・コネクトやステアリングのショートカットボタンを使うことで軽減することも可能だろう。

 マツダは、ドライバーズシート真正面にブレーキペダルを配置したり、アクセルペダルにオルガン式を採用するなど、忘れられがちな運転の基本にこだわり続けている。ひいては安全にもつながるこうした骨太なこだわりは、ぜひとも今後のマツダ車にも継承してほしい。

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