トヨタ自動車は、認知症に関する機器が「家族の負担軽減」を目的とするものが多い中、本人の自由な移動をサポートするデバイス「ツギココ」を開発していると発表した。

これは腕時計型のウェアラブルデバイスで、事前にルート設定すればワンタッチで案内を開始する。ナビ画面はシンプルな矢印で、曲がり角に近づくと振動と音声で知らせる。全国の100人以上の当事者に実証実験に協力を得て、発売に向けてアップデートを繰り返している

アルツハイマー型認知症を「聞いたことがある」と答えた人は87.8%だが、症状を「よく理解している」と答えた人は6.1%に過ぎない。認知症と診断された家族や親族がいる人でも「よく理解している」は14%にとどまる。社会参画が認知症の進行を遅らせることに有効とされるが、理解不足から外出を禁止したり、財布を持たせないようにするなど、本人の意思とは関係なく管理や制限が行われる実態がある。

多くの人が「認知症の人が一人でお出かけすることは危険」と感じているが、実際には認知症と診断された6割以上の人が「誰かが注意すればひとりで生活できる」というデータもある。

トヨタの取り組みは、認知症の誤解を解き、社会参画を促進することで、誰もが安心してお出かけを楽しめる社会の実現を目指している。

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