三菱ケミカルグループは12月5日、植物由来バイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO(デュラビオ)」が、スズキの新型コンパクトSUV『フロンクス』のフロントグリルに採用されたと発表した。
DURABIOは、再生可能な植物由来原料「イソソルバイド」を用いて作られる素材だ。石油消費量の削減に加え、原料となる植物が成長過程で二酸化炭素を吸収するため、温室効果ガスの低減にも貢献できる。
この素材は耐衝撃性、耐傷付き性、発色性に優れており、自動車の内外装部品、光学・電子デバイス部材、日用雑貨など幅広い分野での活用が進んでいる。
スズキ フロンクススズキ車への採用は、2021年末に欧州で発売された『S-CROSS』以降拡大しており、『スイフト』『スペーシア カスタム』『ビターラ』といった国内外の車種のフロントグリルにも使用されている。
フロンクスでは、DURABIOの優れた耐衝撃性と耐候性に加え、着色剤を配合するだけで光沢のある高度な意匠性を実現できる点が評価された。これにより、従来必要だった塗装工程を省くことができ、製造時に発生するVOC(揮発性有機化合物)の低減にも貢献している。
三菱ケミカルグループは、DURABIOの展開を通じて高付加価値な製品を提供するとともに、持続可能な社会の実現に貢献していく方針だ。
自動車業界では環境負荷低減への取り組みが加速しており、植物由来素材の採用拡大は今後も続くと見られる。
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