メルセデスベンツは、既存モデルのEV化を着々と進めており、全ラインナップの電動化も近いとみられる。「EQシリーズ」の第2弾として登場したEVミニバン『EQV』は、一足早く次世代モデルへと切り替わるようだ。プロトタイプ車両を初めてスクープした。

もともとEQVのベースとなっているのは、ICEミニバンの『Vクラス』だ。1998年に商用車『Vito』(ヴィート)の乗用車バージョンとして登場し、現行モデルは2014年に登場した3代目にあたる。EV版のEQVが登場したのは2020年のこと。車体としてはすでに10年を経過しており、最新のEVとしてはアップデートにも限界が見えてきた頃だ。

メルセデスベンツは、2026年末に次世代電動専用プラットフォーム「VAN.EA」を導入すると発表している。『CLA』、『GLA』、『GLB』用の「Electric First MMA」プラットフォームがICE、EVに対応するのとは対照的に「VAN.EA」はEV専用となるのが特徴だが、この基盤を採用する初のモデルがこの次期型EQVとなる。

メルセデスベンツ EQV 次期型プロトタイプ(スクープ写真)

スクープした初期プロトタイプは、キャビンや車体の多くを現行モデルから引き継いでいることがわかる。ただし、フロントエンドは完全に新設計されており、ノーズがクローズドされているほか、サイドスカートはスポーツカーのような厚みのあるものとなっているのが特徴だ。

後部には、ダミーのテールライトや、これまたスポーツカーのようなディフューザーが確認できる。フェンダーフレアが現行モデルより少しワイド化されているのも目立つ。

さらにこのプロトタイプには様々なセンサーやカメラ類が装備されている。目立つのはサイドミラーの下に装着されたものだ。メルセデスベンツはこれまで、レベル2自動運転技術が利用可能になること、レベル3のシステムは2020年代終わりまでに登場すると示唆しており、実現はかなり近づいているといえそうだ。

メルセデスベンツ EQV 次期型プロトタイプ(スクープ写真)

次期型EQVは、特に効率とパフォーマンスに重点を置くといい、空力、電気ドライブトレイン、タイヤ、ボディなど、新プラットフォームのもとEVに最適化されたものとなる。前輪駆動と後輪駆動、およびさまざまなバッテリーサイズが用意されるだろう。さらに、現行モデルよりもラグジュアリーなものになることを示唆、「洗練された顧客の期待にさらに強く応えるため、比類のない高級な位置付けで、プライベート・バンを提供することを目指している」という。

ワールドプレミアは2026年だ。現行EQVは日本には導入されていないが、もし次期型ではVクラスがEVに一本化されるのであれば期待できるかもしれない。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。