2019年のデビュー以来、初のマイナーチェンジを受けたVW Tクロス。日本の道路にも馴染みやすいサイズで人気のコンパクトSUVだ。今回、外見も中身もお色直しを受けたこの T-クロスに試乗。その改良による進化のポイントは?
※本稿は2024年10月のものです
文:島崎七生人/写真:平野 陽
初出:『ベストカー』2024年11月10日号
■前後のデザイン変更&LEDライトを搭載
ずいぶんよくなったじゃん! ……が第一印象。登場以来、日本市場の輸入SUVカテゴリーで、3年連続ベストセラーの実績をもつTクロスにとって、今回が初のマイナーチェンジとなる。
外観では主に顔まわりとリアコンビランプまわりの意匠を変更。フロントでは、カメラで前方を検知しながら照射範囲を自動で制御するLEDマトリクスヘッドライト“IQライト”の採用や、グリルに白いストライプ状の点灯部分が追加されたりとプチフェイスリフト。
リアはコンビランプがX状の奥行きのある意匠に一新され、「おっ」と人目を惹くアクセントとなった。
ボディ色は全8色と従来どおり豊富。このうちクリアブルー、グレープイエロー、キングズレッドの3色が新色。無彩色系も揃うから、どんなユーザーでも選びやすい。
インテリアでは、インパネのミドル部分が、従来の硬い樹脂の加飾パネルからソフトパッドに。ひいてはiD.4あたりに通じる上質感をモノにした。同時に中央に備わる9.2インチタッチ式ディスプレイ部も、今どきのタブレット風デザインに改められるなどした。
安全運転支援機能では、新たにトラベルアシスト(同一車線内全車速運転支援システム)が全グレードに標準装備された。惜しいのは、エンジン始動ボタンが今回も左ハンドルの位置のままであることくらいか(シフトレバーに隠れてしまう)。
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■フラットライドな乗り味で好印象!
一方で走りの印象は、冒頭に記したずいぶんよくなった項目の筆頭。特にクルマが走り始めると直ちになめらかなフラットライドが味わえる点は、最新のポロにも通じる魅力のポイント。
ダンパー、スプリングを変えたというより、足回りの組み付け、ブッシュ類のチューニングでこうなった……そんな感じがするが、微小な音・振動が小さく、クラスが上がったような快適性が味わえる。
エンジンについても型式こそDKR型からDUS型に変わっているが、3気筒999ccのインタークーラーターボというのは変わらない。
が、低速でムズかるような場面がなくなり、2000rpm以上を使いながら走ると充分に快活に走れる。真面目な着座姿勢が作れる後席のよさは不変だ。
●VW T-Cross TSI R-Line 諸元
・全長×全幅×全高:4135×1785×1580mm
・ホイールベース:2550mm
・車両重量:1260kg
・エンジン:直3DOHC ターボ
・排気量:999cc
・最高出力:116ps/5500rpm
・最大トルク:20.4kgm/2000-3500rpm
・トランスミッション:7速DSG
・WLTCモード燃費:17.0km/L
・タイヤサイズ:215/45R18
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