都内のデパ地下には、名店や人気店の選りすぐりの弁当が集結しています。それだけにどれを選べばいいかわからないはず。そこで、BCの姉妹メディア「おとなの週末」のライターでもあるカーツさとう氏が、デパ地下弁当を食べまくり。今回は海苔弁に注目しました。

撮影/鵜澤昭彦、取材/カーツさとう

■デパ地下の海苔弁をチェック!!

 海苔弁もデパ地下で買う時代が、ついにやってまいりましたか!だって海苔弁といえば、約40年前に、白身魚フライと竹輪磯辺揚げを海苔飯上にのせた黄金スタイルで街の弁当チェーンに登場以来、一番お手頃な弁当の代名詞ですよ。

 それ以前の時代でいえば、海苔弁って家庭の弁当ですよ。買って食べるという発想すらない弁当ですよ。それが今では、高級な弁当を買う場所であるデパ地下で、高級化した海苔弁が人気となっているのだ。

 高級化海苔弁の神髄は、「素材を吟味いたしました」という本物至高スタイル。

■『米屋(めしや)』のり弁:880円@伊勢丹新宿店

『米屋(めしや)』のり弁 880円 「あなごめし」や「かきめし」で有名な広島の『米屋』の品。米は「あきたこまち」の一等米ともち米をブレンド。海苔は広島の老舗『山城屋』製

 そんな素材吟味型海苔弁の最右翼と言っていいでしょう、『米屋』の「のり弁」。なにしろノーおかず! 見た目は一面海苔だけで真っ黒という質実剛健さである。

 これで880円という時点で、なんの説明を受けなくとも「米も海苔もいい素材を使っているに違いない」と誰もが自然と連想するシステムになっているといってもいい。

 さらに食べ進めると、海苔の下に梅干しに椎茸、奈良漬けも登場。それを発見した時点でまたも「これもいいヤツでしょ」と思い、実際食べるとやっぱりウマイという、連想と実食感の見事な連鎖。

 ぜひともお笑いのクールポコに、「男は黙って米屋の『のり弁』!」と、やっていただきたい。

 さてオカズも入った高級海苔弁の王道が、黄金スタイルの白身魚フライの代わりに西京漬けや良さげな鮭など値の張る焼魚をのせたパターン。

■『千駄木腰塚』コンビーフのり弁:1480円@伊勢丹新宿店 他販売デパ地下多数

 そこにさらなる一石を投じたのが『千駄木腰塚』の「コンビーフのり弁」。

『千駄木腰塚』コンビーフのり弁 1480円 取り扱う精肉。手作りの食肉加工肉品。創業から70年以上肉好きを唸らせてきた千駄木越塚のコンビーフに、それに負けない旨みを持つ国産焼鮭がのる

 絶品の誉れ高い千駄木越塚のコンビーフがご飯の上にバ〜ンとのってる。もうその時点でヨダレ垂れてる!

 コンビーフの高級だけど戦後からずっとあるイメージと海苔弁のイメージが妙にマッチしてるしなァ〜。

■『まい泉』ごちそう海苔弁当:1134円@新宿高島屋、渋谷東急フードショー

 最後に黄金スタイル海苔弁以前の、家庭の海苔弁を最高級にブラッシュアップしたような海苔弁を猛プッシュしたい。『まい泉』の「ごちそう海苔弁当」だ!

 『まい泉』ごちそう海苔弁当 1134円 ヒレひとくちかつ、ポテトコロッケ、エビフライの揚げ物御三家揃い踏みに、普通はメインを張れる銀鮭塩焼が脇に回るという豪華布陣。味付け煮卵も効く〜

 シンプルに昼のお弁当としてもごちそうだが、一杯やりたい夜のお弁当として……すいません、一杯どころか何杯でもいけちゃいそうですな。

 海ときて苔に弁。この漢字三文字が生む宇宙に感銘!

『おとなの週末』/2024年4月号より転載
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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