コロナ禍に入った2020年以降、4年ぶりに開催された北京モーターショー。久々のリアル開催ということで、今までにないほど混み合ったプレスデーとなったようだが、現地からの情報をお届けしよう。
文・写真:ベストカーWeb編集部渡邊龍生
■それにしても人が多すぎるよ、マジで!
いや、それにしても今回の北京モーターショーはハンパなく凄かった。何がって人の数の多さが。プレスデーだというのに会場の北京国際展覧センターに来場したメディア関係者は2万人以上だったという。
早朝7時からプレスデーは始まったのだが、会場周辺は現場へ向かうメディア関係者で周辺道路は大渋滞。地元のメディア関係者に聞くと、「北京に長年住んでいるが、会場周辺の道路がここまで渋滞したことはかつてなかった」と驚いていた。
どうやら今回の北京モーターショーでは会場の周辺道路一部を閉鎖したことが大渋滞の原因となったようだ。朝の北京は通勤での渋滞がただでさえ激しいのに、そこに輪をかけてしまった。
「上海モーターショーでも広州モーターショーでももうちょっと会場運営はスムーズに行われているのに、北京はこれだよ……」とは現地メディア関係者の弁。
筆者は2023年4月の上海モーターショー、同年11月の広州モーターショーを現地で取材しているのだが、ここまでの混雑はなかったように思う。また、会場周辺には警備に当たる警察車両や多くの警察官が配備されており、活気あるなかにも物々しい雰囲気を醸し出していた。
事前でのプレス申請は事務局の予想を上回る多数のメディア関係者が殺到したため、混乱を極めていたようなのだ。事前のプレス申請が通らなかったメディア関係者は早朝からの当日手続きで申請するしかなかったのだが、ある日本メディアの関係者は手続き開始から会場に入るまで2時間近く足止めを食らったのだそう。
今回の北京ショー、出展社数も約700社とさることながら、ワールドプレミアされたニューモデルは過去最多となる117台にものぼり、その8割がNEV(ニューエネルギー車)。展示車数は約1000台で、そのうちNEVは278台となり、前回比で約7割増というからまさにうなぎ上り。
■相変わらずティックトッカーの姿も
で、いざ会場内に入るとまだ朝8時だというのに、各会場にはまともにメーカーのブースに向かうのが困難なくらい、見渡すかぎりの人、人、人……。ようやくブースにたどり着いてもすでに人だかりの状態で、クルマの写真を撮るだけで四苦八苦状態。えーっと、今日ってまだ一般公開日じゃないですよね?
しかも、ほとんどの人が行き交うなかでスマホを見ながら歩いているものだから、危なっかしいことこの上ない。正直、誰ともぶつからずにリュックを背負ってカメラを抱えながら歩くのは至難の業……。
そして中国といえばティックトッカー。中国メーカー以外のブースでも注目モデルのそこら中スマホで自撮りするインフルエンサーたちが跋扈していた。なかにはどう見ても「ホントにアナタ、メディア関係者ですか?」と聞きたくなるようないで立ちの輩もちらほら散見された。
大人数のメディアが駆け付けたため、店もランチを取る場所も昼食難民であふれかえっていた。北京名物の「牛肉麺」を提供する店はお昼時以降も長蛇の列だったし、提供する早さがウリのファストフードも商品を購入したはいいものの、食べる場所がまったくない始末。
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■ますます勢いを増すばかりの中国メーカーだが
会場内を歩いていて目立ったのはやはり中国メーカーの勢いだ。2023年の中国国内での年間販売シェアで2001年に中国がWTO(世界貿易機関)加入以来、初めて中国メーカーが5割を上回ったというのもそれを裏付けている。
日本にも進出しているBYDをはじめ、中国スマホ大手の小米(シャオミ)が出展。シャオミのSU7は受注台数が7万5723台もの予約が入っていることが会場内でもアナウンスされた。
一方、今回の北京ショーに日本の自動車メーカーで出展していたのは4社。各社、現地合弁となる一汽トヨタと広汽トヨタのトヨタ、東風ホンダと広州ホンダ、東風日産、長安マツダだ。国産ブランドではレクサス、インフィニティも出展。
2023年の上海モーターショーではこの4社に続いて現地工場を持たないスバルもブースを出展していただけに、今回は出展見送りだったことには一抹の寂しさも感じさせた。
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