ポルシェは5月14日、SUVの『マカン』新型のEV、「マカン・エレクトリック」(Porsche Macan Electric)の生産を、ドイツ・ライプツィヒ工場で開始した、と発表した。

新型マカンのEVの生産開始により、ライプツィヒにあるポルシェの工場は、エレクトロモビリティの中核拠点となった。ライプツィヒ工場はフレキシブルな生産ラインが特長だ。1つの組立ラインで3種類のパワートレインを生産することができる。この工場は、将来的にガソリン車、ハイブリッド車、EVをひとつの生産ラインで生産できるよう、最大限の柔軟性を持たせて設計されているという。

新型マカンのEVには、永久磁石シンクロナスモーター(PSM)と呼ばれる電気モーターを搭載する。「マカン・ターボ」グレードの場合、オーバーブースト時の最大出力は639ps、最大トルクは115.2kgmを引き出す。

2つの電気モーターは、パワーエレクトロニクスを介してほぼリアルタイムに制御される。電子制御の「ポルシェ・トラクション・マネージメント(ePTM)」は、現行の4WDシステムの約5倍の速さで作動し、10ミリ秒以内にスリップに対応することができる。さらに、4WDの配分は、選択されたドライビングプログラムによって制御される。リアアクスルの電子制御式ディファレンシャルロックの「ポルシェ・トルク・ベクトリング・プラス(PTV Plus)」も、マカン・ターボのトラクション、走行安定性、横方向のダイナミクスに貢献している。動力性能は0~100km/h加速が3.3秒、最高速は260km/hだ。

バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は100kWh。WLTPサイクルの航続は、マカン・ターボの場合、最大591kmに到達する。800ボルトテクノロジーによって、最大出力270kWで急速充電できる。充電ステーションでは、およそ21分で充電レベルを10%から80%まで引き上げることができる。

バッテリーの高電圧スイッチにより、800ボルトのバッテリーを2つのバッテリー(各バッテリーの定格電圧は400ボルト)に効果的に分割し、バンク充電を可能にした。これにより、HVブースターを追加することなく、最大出力150kWで効率的な充電が行える。AC充電は最大11kWまで対応している。

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