無事に納車されて9000kmも走った編集長の再再販ランクル70。先日開催されたランクル試乗会で開発陣にナナマルの話ばかり130分くらい聞いてきたそう。そんななかから皆さんが気になる質問を集めて聞いてきました。

文:ベストカーWeb編集長 塩川雅人/写真:編集部

■ちょっと気になる黒い蓋

再再販ランクル70のアイキャッチなパーツがアドブルー補充口の蓋だ

 再再販ランクル70のアイキャッチなデザインのひとつが助手席側ボンネット横にある黒い蓋。これ実はアドブルーの注入口。なんとなく特別な感じもするし、以外に馴染みもいいので気に入っている人は多いようだ(もちろん私もそのひとり)。

 しかし色々と疑問も湧いてくる。まずなんでこんな目立つ位置にアドブルーの注入口を用意したかということ。開発陣に聞いてみた。

「物理的にエンジンルーム内に設置することはできます。ハイラックスもそうですしね。しかしランクル70は仕向け地によってはオーナーがメンテナンスする必要があります。いつもの位置にいつもの部品があること、それが世界で求められています。なのでエンジンルーム内には設置したくなかったんです」。

こちらがハイラックスのエンジンルーム。右上の青い蓋がアドブルーの補充口だ

 エンジン回りのスペースが詰まってしまうこともその理由のひとつと言う。さらにエンジンルームにアドブルー投入口を入れた場合、左右ハンドル仕様で作り分けのコストもかかる。

「将来的に左ハンドル仕様にアドブルー仕様が追加された場合、エンジンルームの取りまわしが複雑になってしまうんです。グローバルで売られるランクル70なので、いかなる可能性も含めて検討しました」と説明してくれたぞ。

 ちなみに運転席側にはエアインテークの位置からシュノーケルの設置位置として想定されているので、アドブルー設置場所としては助手席側しか空いていないという合理的な理由もある。

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■「鍵がほしいという声は聞こえています」

蓋をあけるとすぐに補充口が。もちろん鍵がないので誰でもアクセスできてしまう

 世界に先駆けてアドブルー仕様が発売されている日本市場。納車されたオーナーからは防犯面から「なんで鍵がないのか」という声が溢れている。もちろん筆者もそのひとり。

「もちろん鍵の想定はしましたよ。ただここに鍵を付けるとどうしてもコストが上がってしまうんです。例えばオーストラリア仕様なども今後アドブルー仕様が登場する可能性はありますが、その際に現地では鍵の需要はほとんどないと見込んでいます」と開発陣は語る。

 つまり日本仕様にだけ鍵を付けてしまうと、圧倒的台数を誇るオーストラリア仕様に「鍵なし」の蓋を作ることになり、2種類の仕様を用意するコストが発生してしまう。

どんな環境でも生き残る必要があるランクル70。アドブルーの蓋の心配も分かるぞ!!

 開発陣には「鍵がほしい」という日本のユーザーからの声が届いていることは確認したので、今後は純正アクセサリーとして鍵付きの蓋が発売される可能性は大いにあるはずだ(相当ランクル70愛がスゴイ開発陣ということも付け加えておく)。

 ランクル70は480万円で登場させることに開発陣も大きな目標を置いてきたという。アドブルー蓋のようなコツコツとしたコスト削減がその価格に繋がっていることはぜひ覚えておいてほしい。そして鍵付きの蓋の純正アクセサリー登場を強く望みたい!!

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