2024年も開幕を迎えたスーパーGT。「晴れの国」にふさわしい晴天に恵まれた岡山国際サーキットだが、心穏やかではないのは56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」を擁するKONDOレーシング。いったいなにがあったのよ!!??

文:ベストカーWeb編集部/写真:塩川雅人(ベストカーWeb)、SPJ-JS

■いくらなんでも性能調整がちょっと重すぎるぞ

まさかの1400kgの車重はレースペースでは確実にキツイ

 スーパーGTが今年も開幕となる。タフなレースが続くが、開幕戦はGT300の56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」を擁するKONDOレーシングはちょっと心が穏やかではない。

 予選日にドライバーのJ.P.オリベイラ選手が「いい考えがある。東京マラソンの優勝者に来年のマラソンを30~40kgのリュックを背負って走ってもらう。そして優勝できるかどうか見てみよう!」とSNSに投稿した。

重いGT-Rに慣れているオリベイラ選手ですら愚痴りたくなる

 そりゃそうだ、GT-R GT3は性能調整の結果1402kgに設定されてしまったのだから、これくらい皮肉を言わなきゃやってらんないだろう。

 ベースの車重が1285kg、そこにBoP(性能調整)で65kg、さらに速度抑制の重量が52kg。モータースポーツびいきな担当をしても「そりゃないだろ」というのが正直なところ。

 あり得ない重さでドライバーやチームが頭を抱えるのは当然だ。たしかにGT-Rは非常にスピードがあるマシンではあるが、最も重いGT3マシンのライバルが1371kg、最軽量は1339kgのなかで1401kgは重すぎるだろーって思うぞ!!

ピットでのドライバー交代でも非常に力が入る(写真:SPJ-JS)

■「ルールはルールだからきれいに勝って王者になる」

日産ディーラーの整備士たちにも緊張感が走る

 ピット作業を一部サポートする日産販売会社のメカニックも緊張感で顔がキリッとなっちゃうどピリピリしているピットのなかで、近藤真彦監督は日産自動車大学校の広報チームとベストカーの取材にこう答えた。

「ちゃんと勝ってチャンピオンになりたいよね~。マシンは重いし、予選方法は変わるし。なによりタイヤの持ち込み本数も変わってるじゃん。開幕戦はすごくタフだけどさ、やっぱりどこかで勝たないとカッコ悪いじゃん」。

 とにかく現状は受け止めないとどうしようもないわけで、そこはさすがのマッチさんという感じだ。ドライバーたちもレースを「捨てる」なんてことはもちろんしない。前出のオリベイラ選手、そしてスタートドライバーを務めた佐々木大樹選手もクールにたんたんと走った。

学生たちは多くのタスクがあるが広報メンバーが取材を担当

 予選は18位スタートとなったが、決勝では佐々木選手が詰めに詰め、そしてオリベイラ選手が野生味溢れる激走でライバルを追った。気が付けばポイント間近の11位。もちろんこの結果で満足するチームではない。

 次戦のゴールデンウイークの富士スピードウェイではどのようなBoPになるか不明だが、元王者としてのポテンシャルはこんなもんじゃないぞ!!

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