皆が待ち望んでいた新型フリードが先行公開された。ライフスタイルに合わせて選べるふたつのタイプや、さらに使いやすさを追求したシートアレンジ、スムーズで力強い走りを実現する2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」搭載車の設定など、人気モデルらしい進化を遂げている。しかし、そんな最新フリードもいいけれど、ほかにも魅力的なコンパクトモデルはある。現行モデルだってライバルたちだって、捨てたもんじゃない!

文/木内一行、写真/ホンダ、トヨタ、日産、ダイハツ、スズキ

■満を持してフルモデルチェンジしたホンダのドル箱「新型ホンダフリード」

エアー(右)はあらゆるシーンになじむシンプル・クリーンなデザイン、クロスター(左)は大胆で力強くタフな印象のデザインを採用。斬新な意匠のヘッドライトやユニークな形状のリアコンビランプは両者共通となる。

 現行フリードが登場したのは2016年9月。それから8年近くが経過し、ついに2024年6月に新型がデビューする。

 新型フリードは、人々の暮らしだけではなく、使う人の気持ちにも寄り添い、日々の暮らしに笑顔をもたらすクルマとなることを目指して開発された。最大の特徴はFREED AIR(フリード エアー)とFREED CROSSTAR(フリード クロスター)というふたつのタイプを設定したことで、前者は上質でシンプルなデザイン、後者は力強く遊び心に溢れるデザインを採用。

 インテリアもいっそう使いやすくなり、1列目のシート形状を工夫してウォークスルーのしやすさを向上。3列目は座り心地のよさを維持しながらシートの軽量化と薄型化を行うとともに、跳ね上げ時の固定位置を低く設定。広い荷室空間を確保したのである。

 まだ正式発表ではないものの、期待は膨らむばかりだ。

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■いまだに輝き続けるコンパクトミニバン界のスター「現行(2代目)ホンダフリード」

2代目フリード

 初代の「ちょうどいい」をさらに進化させ、どんなシチュエーションでも思い通りに使えるコンパクトミニバンを目指して開発された現行フリード。

 その魅力は数多いが、なかでもボディサイズを大きく変えることなく、広く、使いやすくなった室内が特徴で、1~3列目のヒップポイント間距離を初代より90mm延ばし、2列目スライド量を120mm拡大。全席で大人が快適に過ごせる空間を確保した。

 さらに、ドア開口部を20mm広げつつステップ高を15mm下げ、乗降性もアップ。もちろん、多彩なシートアレンジは健在だ。

 パワートレーンも一新され、1.5Lエンジン+モーターのハイブリッド車はミニバントップレベルの低燃費を達成した。

 デビューからすでに8年近く経ったフリードだが、いまだに輝き続けているのはさすがとしか言いようがない。

■がっぷり四つに組んだガチンコライバル 「先代トヨタシエンタ」

先代型トヨタシエンタ

 フリードの直接的なライバルとなるのは、間違いなくシエンタだ。2022年に登場した現行モデルは各方面からの評価も高いが、先代モデルだって魅力的。中古車相場が手頃という利点もある。

 先代シエンタの特徴は、なんといってもミニバン離れしたアクティブなエクステリアだ。個性的なデザインは好みが分かれるところだが、単調な四角いハコ型になりがちなミニバンスタイルとは一線を画すもの。

 特に、ヘッドライトやリアコンビランプとつながる一筆書きのようなバンパーガーニッシュがユニークで、どことなくフランス車的な雰囲気も感じられる。

 ミニバンとしては全高は高くないが、低床フロアによる高効率パッケージの採用で、3列目までゆとりある室内空間を確保。後席にいくほど着座位置が高くなるシアターレイアウトとしたことで、閉塞感がない、見晴らしの良いシートポジションを実現したことも特徴だ。

 シートは、2列目が2人掛けの6人乗りと、3人掛けの7人乗りを設定。3列目はたたんで2列目の下に格納するダイブイン格納機構を備えており、ラゲッジスペースの拡大も容易に行える。

 パワーユニットは、1.5L直4のガソリンと、1.5L+モーターのハイブリッドをラインナップ。前者は新開発エンジンで、最新技術を投入して燃費と動力性能を高い次元で両立。後者はミニバントップレベルのJC08モード27.2km/Lという低燃費を実現する。

 見た目は遊び心満点だけど、実は優等生。先代シエンタはそんな1台だ。

■リーズナブルに個性的なコンパクトミニバンを「日産キューブキュービック」 

キューブのホイールベースを170mm延長して3列シートを設置。外観上の違いは、フロントグリルのデザインと、少しだけ長くなったリアドア程度だ。ちなみに、全長が伸びても3900mmしかないため、コンパクトミニバンとしてはかなり小さい。

「カドを丸めたシカク」や、左右非対称デザインを取り入れた独創的なルックスで話題を呼んだ2代目キューブ。そのキューブの全長とホイールベースを延長し、3列シート仕様にしたのがキューブキュービックだ。

 パッと見はキューブとの違いがわからないほど自然なスタイリングだが、全長およびホイールベースは170mm延長されている。それでも全長は3900mmしかなく、シエンタやフリードより300mm以上もコンパクト。これは大きな武器だ。

 そのぶん居住空間は制限されるが、それでも2/3列目シートのニールームおよびヘッドルームは、大人にも充分なスペースを確保。加えて、リアドアの開口部を広げて上半身の通過スペースを拡大したことで、乗降性も高まっている。

 パワートレーンは基本的にキューブと同じ。デビュー当初は、1.4L直4に4ATもしくはマニュアルモード付き6段変速CVTの組み合わせ。2005年のマイナーチェンジ時に1.5Lエンジンが追加された。

 中古車市場の流通数はそれほど多くはないが、どれもリーズナブル。手軽にコンパクトミニバンを手に入れたい人にはピッタリだ。

■2列シートだっていいんじゃない!?「ダイハツトール&スズキソリオ」

ダイハツトール

 いざという時に3列目シートがあると便利。しかし、それほど頻繁に使う機会がないのであれば、2列シートだっていいのでは!?

 2016年にデビューしたダイハツトールは、軽自動車で培ったパッケージングを応用し、扱いやすさとゆとりある居住空間を実現したコンパクトワゴンだ。

 全長は3700mmながら軽自動車並みの最小回転半径を実現し、低床フロアと1355mmの室内高により、乗降性に優れた広い居住空間を実現。240mmの後席ロングスライドやダイブインシートを採用したことで、さまざまなシーンに対応できるシートアレンジも可能だ。

 パワーユニットは、1L直3のターボと自然吸気の2種で、前者は1.5Lエンジン並みの力強さ、後者は街中での扱いやすさが特徴。

 ちなみにトールは、ダイハツで企画・開発・生産を行い、トヨタやスバルにもOEM供給されている。

現行型スズキソリオ

 そして、スズキソリオも幅広い世代から支持されるコンパクトワゴン。

 2020年にモデルチェンジした3代目は、従来モデルよりもボディを70~80mm拡大し、広い居住空間に合わせて荷室空間もスペースアップ。その一方、それまでの取り回し性のよさを維持したことが特徴となっている。

 エクステリアは、厚みを増したフロントマスクやダイナミックで伸びやかなスタイリングで、クラスを超えた存在感を表現。カスタムグレードのバンディットもラインナップする。

 エンジンは1.2L直4のガソリン仕様とともに、モーターがエンジンをアシストするマイルドハイブリッドモデルも設定。  

 2022年には、一定速走行時にはEV走行も可能なフルハイブリッドモデルも追加し、ユーザーの選択肢が広がった。

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