トヨタ自動車はパシフィコ横浜で開催されている「人とくるまのテクノロジー展2024」に、『クラウンセダン』のハイブリッド車(HEV)と燃料電池車(FCEV)のカットモデルを展示。あわせてリサイクル技術を紹介している。
クラウンといえば、トヨタが誇る高級車で、これまでにいくつもの歴史を作ってきた。しかし、16代目となるクラウンは、15代目までと様相が大きく異なっている。新しいクラウンの開発はセダンありきではなく、クラウンとは何かを徹底的に見つめ直したそうだ。
その結果、「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」という4つタイプのクラウンが誕生することになり、2022年9月にクロスオーバー、23年10月にスポーツ、そして11月にセダンが発売された。
セダンでは、HEVのほかにクラウン初のFCEVを用意した。両車はプラットフォームが全く同じで、パワートレインだけが違う。FCEVは『MIRAI(ミライ)』と同じ高性能FCシステムを採用。3本の高圧水素タンクと燃料電池を搭載し、1回あたり約3分の水素充填で約820km走行できるという。
アクセルを踏んだ瞬間からトルクが立ち上がり、スムーズに伸びるFCEVならではのパワーと、モーター駆動ならではの静粛性や乗り心地を実現している。「このクルマを通して水素社会を身近に感じてもらいたいと考えていますが、値段以上の価値があると思います」とトヨタの説明員は話す。
ちなみに価格は830万円で、販売目標は月に200台だが、日本では水素ステーションなどインフラの問題もあり、苦戦が続いているようだ。一方、730万円のHEVは、このところの追い風に乗って、販売は好調だという。特に米国ではどのメーカーでもHEVの売れ行きは好調で品薄になっているモデルもあるほどだ。
「今回初めて2.5Lエンジンとマルチステージハイブリッドシステムを搭載したモデルで、力強い動力性能と燃費性能の両立を実現している。燃費は先代のクラウンよりもずいぶんと向上している」と説明員は話す。横にあったパネルには、18.0km/Lと書いてあった。いずれにしても、HEVとFCEVのカットモデルと説明パネルを並べたことによって、両車の違いがよくわかるようになっている。
リサイクルへの取り組みでは、カーボン素材の端材を活用や廃車から出たシュレッダーダスト(ASR)の再資源化を紹介。これまでは燃やすだけだったが、再利用への道を示した格好だ。
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